2017 Fiscal Year Research-status Report
長期・モダリティ普遍なランドマークの開発とユニバーサルマップ運用システムの実現
Project/Area Number |
16K21339
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高橋 淳二 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (20456685)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 屋内位置推定 / クラウドコンピューティング / 位置推定インフラストラクチャシステム / 類似度計算 / 距離変換画像 / ワンショット位置推定 / 大域的位置推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,低演算負荷で高精度な位置同定を行うためのクライアント-サーバ型の位置同定インフラストラクチャシステム:Universal Map (UMap) を構築することである.2年目となるH29年度は位置解決アルゴリズムの高精度化、演算負荷の縮小と演算時間の短縮,評価用データセットの作成を行った. H28年度に開発した位置解決手法(Naive Lines Matching: NLM.グローバル画像から生成した多数のDB画像とセンシング画像との類似度計算を行い類似度が最大となるDB画像を探索)では、事前準備するDB画像群の生成間隔(グリッド間隔)を小さくするほど位置解決結果の精度は向上する.一方で,グリッド間隔を小さくすれば生成されるDB画像の数が増加し,探索における演算負荷と探索時間の増大をもたらす.この精度向上と演算負荷の減少のトレードオフの問題に対し,グリッド間隔を小さくすることなく位置解決精度を向上させる手法としてDistance Transformed Lines Matching: DTLMを開発した.DTLMでは類似度計算に距離変換画像からなるDBを用いることで,最大類似度画像の探索と同時にその画像とセンシング画像の位置ずれ誤差を推定することが可能である.グリッド間隔200 mm のDB画像を用いた位置推定評価実験では,NLMの誤差平均 210 mm に対してDTLMの誤差平均 170 mm と精度向上を確認できた.このほか,センシング時の事前情報を利用する手法として,連続的な位置推定を行う場合に1時刻前の位置推定結果を用いて現時刻の位置推定の探索範囲を限定する Consistency Adjustment アルゴリズムを開発した.同上の評価実験にて,NLM+CA アルゴリズムを用いた位置推定結果は,平均誤差110 mm と精度向上を確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H29年度の時点で,本研究課題の目的であるクラウド型位置推定インフラストラクチャシステム(UMap)を実現するための課題である,普遍的なランドマーク特徴の開発,クライアントサーバシステムの開発,普遍的ランドマークを利用した位置解決アルゴリズムを構築し解決した.また,発展課題となる環境変化に応じて発生する新規のランドマークの発見とマップへの追加・更新システムについて,そのコアアルゴリズムを開発している.研究計画をクリアするために残された課題は,評価実験のためのフィールドのCADマップの作製と位置推定精度評価用のデータセットの作成,そしてそれらを用いての提案システムの評価である.この残された課題は,最終年度となるH30年度で十分に達成可能であるためH29年度の進捗を (2)おおむね順調 と評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画をクリアするために残された課題は,評価実験のためのフィールドのCADマップの作製と位置推定精度評価用のデータセットの作成,そしてそれらを用いての提案システムの評価である.H29年10月に研究代表者が青山学院大学から鹿児島大学へと異動したが,本研究課題は継続して行うことで各方面で了承を得ている.評価実験のためのフィールドは青山学院大学においては,延床面積 11,000 平米の建物のCADデータ作成が完了しておりこれを利用する.また鹿児島大学では,延床面積 5,000 平米の建物について建築学科との共同研究としてCADデータを作成する合意がとれており,データが完成し次第評価用実験データの作成,評価実験を行う予定である.青山学院大学と鹿児島大学でのそれぞれのフィールドでの評価実験結果を比較することで,より普遍性の高いランドマーク開発が可能となると期待できる.これらの成果は国際会議,国際ジャーナル紙にて発表する予定である.
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