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2016 Fiscal Year Research-status Report

ボロン酸エステルを有するアルデヒド糖を用いた立体選択的スピロアセタール合成反応

Research Project

Project/Area Number 16K21340
Research InstitutionAoyama Gakuin University

Principal Investigator

佐々木 郁雄  青山学院大学, 理工学部, 助教 (10771040)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywordsテトラヒドロフラン合成 / 天然物合成 / ホウ酸エステル / ルイス酸
Outline of Annual Research Achievements

スピロアセタール環骨格を有する生理活性天然物は数多く存在し、その効率的合成法の開発は合成化学のみならず、医薬科学の分野においても重要な研究課題である。我々は、イソプロピリデン基で保護したアルデヒド糖とアルケン化合物に対し、三フッ化ホウ素エーテル錯体(以下BF3・Et2O)を作用させると多置換のテトラヒドロフラン環が高収率かつ高立体選択的に生成することを既に見出している(H. Sugimura et al. Org. Lett. 2014, 16, 3384-3387)。本研究は、このイソプロピリデン基をホウ酸エステルとした、新たなテトラヒドロフラン環合成法を開発しようとするものである。計画では、出発原料としてD-グルコースを予定していたが、ホウ酸エステルを有するアルデヒド糖の合成が困難であったため、よりシンプルなグリセルアルデヒドを原料とし、ホウ酸エステルの合成を行った。実際にはグリセルアルデヒド1当量に対し、フェニルボロン酸を等量加え、種々の溶媒、反応温度を検討した。その結果、非プロトン性極性溶媒であるジメチルホルムアミド(DMF)を反応溶媒として用い、室温で24時間撹拌したところ、目的のホウ酸エステルが良好な収率で合成できた。現在は、得られたこのホウ酸エステルを用いてテトラヒドロフラン合成反応の検討を行っている。また。ジメチルアミノ基が置換されたフェニルボロン酸からもホウ酸エステルを合成し、反応性の違いについても検討中である。さらに、Xylapyrroside類の天然物として知られるAcortatarin Aの全合成研究への応用に先立ち、従来のイソプロピリデン基を用いた合成法の開発にも取り組んでおり、基本骨格の立体選択的構築を既に達成している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

目的のホウ酸エステルは合成できたものの、非常に不安定な化合物で、分離精製が困難であった為、原料合成の段階で時間がかかってしまった。さらに、溶解性も極めて低く、テトラヒドロフラン合成の反応条件の探索に時間がかかっている。平成28年度の計画では、
「D-グルコースから調製したボロン酸エステルを有するアルデヒド糖を合成し、既知のアルケンとのテトラヒドロフラン環合成を検討する」であるが、グリセルアルデヒドでの合成のみ達成している状況である。しかし、ホウ酸エステルの合成とXylapyrroside類の天然物として知られるAcortatarin Aの骨格合成には成功していることから、次年度の計画と共に進めることが出来る。

Strategy for Future Research Activity

まず、早急にテトラヒドロフラン合成反応の最適条件を決定し、Xylapyrroside類の天然物として知られるAcortatarin Aの合成に応用する。最適条件の検討は、これまで当研究室で蓄積した膨大なデータに加えて、種々のルイス酸試薬を用いて行う予定である。先の概要でも述べたが、既に骨格合成までのルートは確保していることから、鍵反応であるテトラヒドロフラン合成反応が成功すれば、達成までは早いと考えている。
合成を達成した後は、他の天然物合成にも応用することを考えている。Cephalosporolide Fは、抗炎症作用が期待されている化合物であるが、この全合成も従来法で達成しており、今回のホウ酸エステルでの合成を応用することで、更に効率的な合成を目指す。

Causes of Carryover

現時点で、ホウ酸エステルを有するアルデヒド糖の合成は行えたものの、天然物合成に着手できていないことから、合成に必要な試薬などを購入していない為に次年度使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

早急に天然物合成に必要な試薬を購入し、全合成に向けての準備を行う計画である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Xylapyrroside類の骨格合成2016

    • Author(s)
      小川 裕也
    • Organizer
      第71回有機合成化学協会関東支部シンポジウム
    • Place of Presentation
      東京農工大 小金井キャンパス
    • Year and Date
      2016-05-14 – 2016-05-14

URL: 

Published: 2018-01-16  

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