2017 Fiscal Year Annual Research Report
Stereoselective synthesis of spiroacetal with aldehyde-aldose bearing boronic ester
Project/Area Number |
16K21340
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
佐々木 郁雄 青山学院大学, 理工学部, 助教 (10771040)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ホウ酸エステル / 三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体 / アルデヒド糖 / テトラヒドロフラン合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
スピロアセタール環骨格を有する生理活性天然物は数多く存在し、その効率的合成法の開発は重要な研究課題である。我々は、イソプロピリデン基で保護したアルデヒド糖とアルケン化合物に対し、三フッ化ホウ素エーテル錯体(以下BF3・Et2O)を作用させると多置換のテトラヒドロフラン環が高収率かつ高立体選択的に生成することを既に見出している。本研究は、このイソプロピリデン基をホウ酸エステルとした、新たなテトラヒドロフラン環合成法を開発しようとするものである。計画では、出発原料としてD-グルコースを予定していたが、ホウ酸エステルを有するアルデヒド糖の合成が困難であったため、より単純な構造を有するグリセルアルデヒドを出発原料とし、ホウ酸エステルの合成を行った。実際にはグリセルアルデヒド1当量に対し、フェニルボロン酸を等量加え、種々の溶媒、反応温度を検討した。その結果、非プロトン性極性溶媒であるジメチルホルムアミド(DMF)を反応溶媒として用い、室温で24時間撹拌したところ、目的のホウ酸エステルが良好な収率で合成できた。得られたこのホウ酸エステルを用いて、テトラヒドロフラン合成反応の検討を行った。反応条件としては、1当量のアルデヒド糖に対し、アリルトリメチルシラン(1.5当量)とBF3・Et2O(1.1当量)を-78 °Cで加えて反応を行ったところ、目的のテトラヒドロフラン誘導体は得られず、原料の分解のみが進行した。またBF3・Et2Oの代わりに他のルイス酸を用いて検討を行ったが、分解反応が進行するのみであった。一方で、Acortatarin Aと同様の骨格を持つXylapyrroside B1の全合成研究を、従来のイソプロピリデン基を用いた合成法の開発にも取り組んでおり、基本骨格の立体選択的構築を既に達成している。
|