2017 Fiscal Year Research-status Report
MRI脳血流測定法(3D ASL法)の信頼性検証:模擬人体ファントムによる検討
Project/Area Number |
16K21351
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
水上 慎也 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (80759340)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | MRI / ASL / 模擬人体ファントム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では模擬人体ファントムを用いて非造影MRI灌流画像法(3D ASL法)による脳血流量(CBF)の再現性および定量性評価を行い、3D ASL法の画像診断精度を高めることを目的としている。 模擬人体ファントムとして、既製品灌流ファントムの動静脈を人体に近い構造に改変して使用した。4台のMRI装置(3.0T MRI装置2台、1.5T MRI装置2台)でこのファントムの3D ASL法を撮像した。ファントムではCBF算出に使用する係数が人体と異なるため、測定値としては係数を除外して灌流画像(PWI)と基準画像(PDWI)の信号比を用いた。 各装置において3D ASL法を同日に3回撮像し同日再現性を、また、撮像日を1月間あけて3日撮像し別日再現性を求めた。同日再現性ではどの装置においても高い再現性が得られたが、別日再現性では再現性が低下する結果となった。この原因として、ファントム配置および撮像断面設定の誤差が影響している可能性が考えられる。 また、各装置において循環ポンプの流量、脈動数を変化させて3D ASL法を撮像した。流量と測定値は相関が高く(r2>0.98)、直線性が認められた。脈動数を変化させたときの測定値では、3D ASL法における収集データ数(spiral arm)が多い場合ではどの脈動数でも一定の測定値となったが、spiral armが少ない場合では脈動数によって測定値が変動した。Spiral armが少ない場合、撮像時間が短縮されるが、測定値が患者のCBFを正確反映していない可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた実験内容のほとんどを実施したが、ファントムの配置や撮像断面の設定に関して再現性が低く、測定結果が3D ASL法のみの再現性を表していない可能性が考えられた。より有意義な結果となるよう、追加実験や再解析を行う必要があると考える。なお、同じ理由から、研究成果を公表する機会が得られなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
ファントムの配置や撮像断面の設定の再現性について、手技における改良を行った場合でも少なからず誤差が生じる可能性があるため、画像の位置補正技術を利用することを検討している。位置補正技術によって得られたファントム同一部位のデータによる結果について論文化する。
|
Causes of Carryover |
測定結果が妥当でなく、研究成果を公表することが出来なかった。測定結果の再解析が必要であるため画像の位置補正ソフトの購入を検討し、残額を学会発表や論文掲載費に充てる予定である。
|