2018 Fiscal Year Annual Research Report
Restoration research of ancient local officials and traffic route network using aerial photo archive
Project/Area Number |
16K21366
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
朝倉 一貴 國學院大學, 文学部, 助手 (60735512)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 考古地理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本古代に敷設された道路は規格的直線道であり、これまでに空中写真等の地理資料による 研究で道路網が復元されてきた。しかし、従来の手法は研究者の経験的判読によるものであ り手法の限界を迎えている。本研究では、古代交通研究に衛星リモートセンシングの解析手 法を導入し、新たな「予測・探査・記録」の研究パッケージを提案している。これにより、発掘 調査による道路遺構と地理資料観察による道路痕跡の相互関係を明らかにしたうえで、実体 的な地方官衙と古代道路網の景観復元を行うことを目的とする。本年度は、交通の中継地点として拠点となる官衙遺跡間の最小移動コスト回廊を算出することで、拠点間往来に最適な地帯を予測することを目指した。具体的には、龍田古道と山陰道を中心とした踏査をおこなった。いずれも低地部(平地部)から丘陵部にかけての地形傾斜、想定路線構造を入念に観察することが出来た。これまで低地部から丘陵部にかけて路線構造は、切り通し状の構造を有すると考えられてきているが、秦直道子午嶺のスイッチバック工法に類似する工法が採用されていた可能性があり、軍用道路としての駅路における車走行を傍証する手がかりになると期待できる。今後は以下の3点に注力する。 ① 地理情報システム(GIS)を用いた、最小移動コスト解析による道路敷設帯の予測復元 ② 高解像度衛星画像の疑似カラー変換による痕跡(Soil-mark・Crop-mark)の可視化 人工衛星搭載型SAR(合成開口レーダ)を用いた、植生被覆地帯の道路痕跡検出法の開発 ③ 迅速3次元モデリングや3次元レーザ測量による道路痕跡の立体復元
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