2018 Fiscal Year Annual Research Report
Vasoprotective effects of nesfatin-1
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16K21370
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
森 雄作 昭和大学, 医学部, 講師 (90595919)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ネスファチン-1 / 動脈リモデリング / 新生内膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度と平成29年度の実験で、①nesfatin-1を持続投与した野生型マウスでは大腿動脈のワイヤー傷害後の新生内膜過形成が抑制されること、②培養のヒト血管内皮細胞をnesfatin-1で刺激するとAMP-activated kinase(AMPK)のリン酸化が増加して一酸化窒素の産生が促進されること、③培養のヒト動脈平滑筋細胞をnesfatin-1で刺激するとAMPKのリン酸化を増加させるが増殖因子誘発性細胞増殖には影響を及ぼさないことを発見した。 平成30年度はnesfatin-1トランスジェニックマウスを用いた動物実験を行った。動脈リモデリングモデルは、マウスの大腿動脈にガイドワイヤーを挿入して血管内皮細胞と血管平滑筋細胞を傷害することで作成した。Nesfatin-1トランスジェニックマウスではコントロールマウスと比較して、ワイヤー挿入によって惹起される新生内膜の過形成が有意に抑制されていた。さらにnesfatin-1トランスジェニックマウスでは、新生内膜形成部位の細胞増殖が抑制されており、細胞増殖数と新生内膜面積の間には負の相関が認められた。 摂食抑制ホルモンとして同定されたnesfatin-1は心血管系にも作用することが報告されていたが、動脈疾患に対する影響は解明されていなかった。本研究からnesfatin-1が末梢動脈のリモデリングを抑制することが明らかとなった。さらに、nesfatin-1は血管内皮細胞と血管平滑筋細胞に直接作用し、AMPKのリン酸化を増加させることが明らかとなった。これらの研究結果はnesfatin-1が動脈保護的に作用する可能性を示しており、動脈疾患の新たなる治療薬開発につながることが期待される。
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Research Products
(2 results)