2016 Fiscal Year Research-status Report
大量塩基配列データを用いた機能性内在性ウイルス配列の比較ゲノム解析
Project/Area Number |
16K21386
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中川 草 東海大学, 医学部, 助教 (70510014)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 内在性ウイルス様配列 / 比較ゲノム / トランスポゾン / バイオインフォマティクス / データベース / レトロトランスポゾン / 内在性レトロウイルス / 分子進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は哺乳類のゲノムに内在性したウイルスに由来する配列(EVE)が宿主で獲得した様々な新規機能とそのゲノム進化を明らかにすること目標としている。本研究課題の中心となるEVEに由来する蛋白質をコードする配列を網羅的に収集し、アノテーションを行ったデータベースgEVE(http://geve.med.u-tokai.ac.jp)がDatabase誌に2016年5月に受理され、公開された。gEVEデータベースで同定した蛋白質をコードしたEVEのみならず、更に解析を発展させ、ヒト、マウスなどのゲノム配列中のEVE由来する塩基配列の非コード領域を同定した。実際にEVEは元々ウイルスに由来するため、ウイルス遺伝子配列を転写するための強力なプロモーター配列を有しており、それらが宿主内で機能する可能性も高い。共同研究により、幾つかの細胞・組織などの大規模発現データとEVEの非コード領域の相関について解析し、遺伝子の転写にプロモーターとして関与しているEVE配列の候補の同定を行った。非コード配列のデータもgEVEデータベースに登録する予定である。加えて、大規模転写配列(RNA-seq)データを中心に、次世代シーケンサー(NGS)から算出された大量塩基配列データの解析を進め、EVE配列に由来する機能を獲得した候補配列の探索を行った。特にヒト、マカク、マーモセットなどの霊長類や、マウスやラットなどのげっ歯類の胎盤、筋肉、破骨細胞の発生や再生時のRNA-seqデータを公共データベースや共同研究などを元に解析し、発現しているEVE由来の候補配列を同定し、機能解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画(1) EVEの非コード領域の同定は計画通りに進捗し、各種の非コード領域を同定し、現在データベースとして公開するためにまとめている。研究計画(2) EVEのNGSデータ解析と比較ゲノム解析については現在進行中で、様々な霊長類やげっ歯類の胎盤、筋肉、破骨細胞、神経細胞などのRNA-seqデータを解析し、機能を獲得したと推察される配列の候補の選定を行い、共同研究を通してその機能解析にも取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、上記の研究計画(2)を進行し、新規機能性EVE由来の配列の同定に努める。公共のNGSデータ解析だけではなく、必要なNGSデータがない場合などには、自分たちでサンプルを入手してライブラリを調整し、RNA-seqシーケンスも行う計画にした。また、上記の(1)、(2)の結果を受けて、研究計画(3)gEVEデータベース(http://geve.med.u-tokai.ac.jp)の拡張・更新にも取り組み、本研究成果を広く活用してもらう計画である。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] マウスサプレシン遺伝子の単離・同定2016
Author(s)
杉本潤, Danny Schust, 中川草, 小田高也, 陣野吉廣
Organizer
第24回日本胎盤学会学術集会 第34回日本絨毛性疾患研究会
Place of Presentation
ホテルアバローム紀の国(和歌山県和歌山市)
Year and Date
2016-11-25 – 2016-11-26
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