2018 Fiscal Year Annual Research Report
Novel therapeutic strategy in metastatic breast cancer by targeting misfolded protein-transport along microtubules and aggresome formation
Project/Area Number |
16K21388
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
風間 宏美 東京医科大学, 医学部, 助手 (00339350)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 乳癌 / アグリソーム / プロテアソーム / 小胞体ストレス / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内の不良タンパク質はユビキチン化され,プロテアソーム/オートファジーで分解される。この分解処理能を越えて蓄積する不良タンパク質は,微小管に沿って核近傍の中心体に逆行輸送されて凝集塊(アグリソーム)が形成される。そこで研究代表者らは,乳癌細胞において①アグリソーム形成が小胞体(ER)ストレスの緩和に寄与すること,②二大タンパク質分解系に加えてアグリソーム形成を同時阻害することでERストレス負荷を介した乳癌細胞死が強力に誘導される,との仮説を立てた。 これを検証するため,pEZ-F-XBP1-venusを転移性乳癌細胞株MDA-MB231に導入し,ERストレス応答で活性化されるIRE1スプライシング能に応じてXBP1-Venusが発現誘導されるMDA-MB231細胞安定導入株を樹立した。XBP1-Venusの蛍光強度をIncuCyteライブセル・イメージングシステムで経時的に測定し,各時点での細胞密度で補正することでERストレスの定量解析を試みた。本解析法を用いることで,ERストレス負荷に応じて殺細胞効果が誘導されることが明らかとなった。また,検討した薬剤中で,プロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブ(BZ),オートファジー阻害活性を有するクラリスロマイシン(CAZ), HDAC6阻害活性を有するボリノスタット(SAHA)の3剤の組み合わせが最も強力にERストレス負荷を誘導し,かつ,最も強力な細胞死誘導能を発揮した。また,微小管重合阻害剤であるビノレルビン(VNR)+BZが,微小管脱重合阻害剤パクリタキセル(PTX)+BZに比べてERストレス負荷が強力で, かつ,殺細胞効果も強いことも明らかとなった。 以上より,細胞内不良タンパク質の微小管輸送によるアグリソーム形成を含めた分解・処理を計画的かつ包括的に阻害することでERストレス負荷を介した乳癌細胞死が強力に誘導できることが明らかとなった。
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Research Products
(12 results)