2017 Fiscal Year Annual Research Report
Developmental mechanism of muscle-tendon-bone complex in the craniofacial region.
Project/Area Number |
16K21390
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山本 将仁 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90733767)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 運動器 / 腱骨格系前駆細胞 / 筋原基 / Sox9 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動器は身体運動と構造安定のために協調する効率的な組織の集合体である。運動器を構成するコンポーネントである筋、腱、骨格系(骨や軟骨)は互いに影響を及ぼしながら発生・分化するために、筋、腱、骨格系を1つの機能的な器官として捉えて発生学的な解析をする必要がある。しかしながら、筋、腱、骨格系がどのような過程を経て1つの機能的な複合組織を作り上げるかについては十分に理解されていない。そこで本研究では、発生初期にSRY-box containing gene 9(Sox9)を発現する腱・骨格系前駆細胞に着目し、Sox9+腱・骨格系前駆細胞群(Sox9+細胞群)と筋原基の結合過程を経時的に解析することにより、運動器の組織構築機序を検索した。試料として胎生12.5~17.5日のICRマウスを用いた。主な観察対象部位は、上腕三頭筋の尺骨への付着部、外側翼突筋の下顎頭への付着部とした。また、凍結切片ならびにパラフィン切片を作製し、続いて各種免疫組織化学的染色ならびにin situハイブリダイゼーションを行った。また、免疫組織化学的染色の結果から、外側翼突筋の下顎頭への付着部におけるBudU陽性増殖細胞の数を計測した。結果より、胎生13.5日の上腕三頭筋の尺骨への付着部において、Sox9+細胞群とDesmin+の筋腱接合部は接触していた。胎生14.5~16.5日になるとSox9は腱-軟骨接合部と軟骨に限局して発現した。一方で胎生13.5~14.5日の外側翼突筋の下顎頭への付着部においてもSox9+細胞群とDesmin+の筋腱接合部は接触していた。しかしながら、胎生15.5~16.5日においては同部におけるSox9の発現は減弱した。したがって、筋、腱、骨格系の結合初期において筋原基とSox9+細胞群が結合を開始し、付着する骨の骨化様式に合わせてSox9の発現傾向は変化することが示唆された。
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