2018 Fiscal Year Annual Research Report
Direct Formylation by Indium Catalysis
Project/Area Number |
16K21400
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
荻原 陽平 東京理科大学, 理工学部先端化学科, 講師 (00734394)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | カルボン酸誘導体 / パラジウム触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機インジウムに対してカルボニル化試薬を作用させることで、アシル化やホルミル化の達成を目指し研究を行なった。当初の計画では、H29年度までに様々なカルボン酸誘導体を用いたアシル化反応の検討を行ない、その結果を基盤として、最終年度(H30年度)ホルミル化反応へと拡張する予定であった。 当該研究期間中、インジウム触媒やパラジウム触媒、および銅触媒を適切に活用することで、カルボン酸誘導体の多彩な分子変換反応が進行することを見出した。また各種検討を行なう中で、ニトロメタンやジシラチアンなどの新しい合成前駆体を用いた触媒反応の開発にも成功した。具体的には次の通りである。
①パラジウム触媒によるフッ化アシルを合成素子として用いた多彩分子変換反応、②パラジウム触媒によるカルボン酸誘導体とアルキンの分子内環化反応、③インジウム触媒によるアミドを用いたアミン類のN-アルキル化反応、④インジウム触媒によるカルボン酸誘導体の還元的変換を経る医薬品インドプロフェンの効率合成、⑤銅触媒によるニトロメタンを用いたハロゲン化アリールのシアノ化反応、⑥インジウムあるいは銅触媒によるジシラチアンを用いた硫黄導入反応
特に、「①パラジウム触媒によるフッ化アシルを合成素子として用いた多彩分子変換反応」では、フッ化アシルが極めて多彩な反応性を示すことを明らかにした。すなわち、アシルカップリングや、脱カルボニルカップリング、あるいはフッ素化などの合成素子として利用できる潜在性に着目し、これら全ての反応様式について、実証することができた。
|