2016 Fiscal Year Research-status Report
ホームシェアの国際比較による世代間協同居住の理論化
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16K21412
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
久保田 裕之 日本大学, 文理学部, 准教授 (40585808)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ホームシェア / シェア / 居住福祉 / 高齢者の孤立 / 若者の貧困 / 世代間交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度となる平成28年度は、これまでのEUのホームシェア事業者に対するフォローアップ調査【課題1】を翌年に繰り延べる代わりに、オランダ・ベルギーにおける若者支援を取り入れていれた施設型のホームシェア事業者のうちユマニタス(オランダ)調査【課題2】、アメリカ合衆国における障がい者支援を取り入れた広義のホームシェア事業のうち、HIPハウジング(カリフォルニア州)調査【課題3】、さらに、翌年に予定していた、日本のホームシェア事業者を一同に集めた「日本ホームシェア会議」を一年前倒しで開催した。 第一に、夏の調査予定がEUにおけるバカンスと重なったため、ホームシェア事業者に対するフォローアップ調査は翌年の世界ホームシェア会議(5月)に繰り延べることにした。その方が、研究費をより効率津的に使えると判断したためである。 第二に、オランダデーフェンター市の高齢者施設ユマニタスへの調査を行い、若者6名が無償で施設の部屋に住みながら入居高齢者と自然な交流を実現するメカニズムについての調査を行った(2月・8月)。 第三に、北米調査の中でも初年度は西海岸に調査地を絞り、カリフォルニア州サンマテオ市で活動するホームシェア事業者「HIPハウジング」への聞き取り調査を行い、高齢者など支援を必要とする人々と、学生・若者のマッチングの仕組みについての調査を行った。 第四に、翌年に予定していた日本ホームシェア会議を一年前倒しで12月に実施し、日本中から6事業者が集まり、ホームシェアの普及に関する課題や新しい取り組みについて議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定していたフォローアップ調査を翌年に繰り延べたものの、1)初年度に新しい調査地のほとんどに一度入って調査に着手し、実際の手応えを得られたという点、また、2)翌年に予定していた「日本ホームシェア会議」を一年前倒しで開催できたから、全体としては当初の計画以上に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、1)繰り延べたEUのホームシェア事業者へのフォローアップ調査を、5月に開催される「世界ホームシェア会議」の場を利用して効率的に実施するとともに、2)北米のホームシェア事業者のうち東海岸調査(ヴァーモント州)を新たに実施するほか、3)引き続き、建築・住宅・高齢者福祉に関する文献の収集・整理が課題となる。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、1)EUのホームシェア事業者へのフォローアップ調査を翌年度に繰り延べたこと、2)英語圏での調査に通訳をつけなかったため通訳者金が予定よりも少額で住んだこと、2)日本ホームシェア会議を一年前倒しで開催したが予定よりも呼び寄せ交通費がかからなかったこと、などが挙げられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については、1)世界ホームシェア会議の参加の機会を利用して、EUのホームシェア事業者へのフォローアップ調査を効率的に行うこと、そのため、2)非英語圏での通訳謝金として活用することで、研究をより精緻なものにしていく予定である。
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