2016 Fiscal Year Research-status Report
高度な立位姿勢を達成する制御メカニズム―バレエ経験および発育発達に伴う可塑性―
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16K21416
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Research Institution | Japan Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
大庭 尚子 日本女子体育大学, 公私立大学の部局等, 技術員 (70762037)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 立位姿勢制御 / 運動制御 / 制御効率 / 成人 / 小児 / 立位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高度な立位姿勢を達成する制御メカニズムについて、バレエという特殊な運動経験および発育発達にともなう可塑的変化を、全身の運動協調の観点から神経生理学的・生体力学的に明らかにすることを目的とした。 2016年度には、バレエやダンス経験のない一般健常成人を対象に、片脚立位やつま先立位などの難易度の高い立位姿勢保持課題と容易に遂行可能な両脚静的立位姿勢保持課題における運動制御の差異を明らかすることを目的として、全身の運動協調の観点から運動学的および運動力学的手法、筋電図解析を用いて検討することを予定していた。当初の計画では、年度中に予備実験を重ね、姿勢課題の種類や試行数などを精査した後に、成人20名程度を対象として本実験までを終える予定であった。しかし実際には、予備実験の実施と分析プログラムの作成にとどまった。今後は被験者への負担軽減を図るために、予備実験で実施した姿勢課題の種類や試行数について精査したのちに、早急に本実験を実施する予定である。 一方で、2017年度以降に予定していた発育発達に伴う立位姿勢制御の可塑的変化に関する検討については、2016年度までに取得していた両脚静的立位姿勢保持課題のデータを改めて分析し直した。立位姿勢制御の評価指標として従来から用いられてきた測定変数の標準偏差や平均速度から姿勢制御の効率(コスト/パフォーマンス)を推定し、成長に伴う変化を検討したところ、姿勢制御の効率が年齢とともに向上することが示唆された。この内容については、日本バイオメカニクス学会大会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該研究以外の職務に新たな事業が加わり、本研究課題に十分なエフォートを充てることができなかったためである。 予定していた、バレエ経験のない健常成人を対象とした本実験を実施することはできなかったが、一方で次年度以降の計画である発育発達に伴う立位姿勢制御の可塑的変化については、分析を進めることができ、学会での成果発表に至った。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は、立位姿勢課題を十分に精査した上で、一般健常成人および長期間バレエという特殊な運動経験を有する健常成人を対象に、本実験を実施し分析を進める計画である。また2018年度以降は小児を対象に同様の実験を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた実験が年度内に実施できなかったため、被験者謝金として予定していた経費の一部が未使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定していた実験速やかに実施し、被験者謝金として使用する計画である。
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