2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K21421
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
渡邊 恵太 明治大学, 総合数理学部, 専任准教授 (30589297)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自己帰属感 / インタラクション / アウトリーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度大きな活動として、2016年3月にメディアートのミュージアムとして知られるNTT InterCommunication Center(ICC)からの打診により、研究開発コーナー(約80平米)にて、2016年度常設展示として2016年5月28日 - 2017年3月12日の約9ヶ月に渡り本研究プロジェクトの長期展示「インタラクションの現象学~人間の輪郭、世界体験の変容」を行った。展示は、ICCロビー位置し、ICCへ来訪する多くの来場者が目にする。そのため、厳密な参加者数は公開されていないが、少なくとも数万のオーダーの来場があったと予想される。また本展示期間中に、トークイベント「インターフェースとは何なのか?」を実施し、会場の定員である約200名の来場があった。 研究計画内容の実施については、視線環境の整備や受動マウス装置の設計、振動子による触覚からの自己帰属感へのアプローチを行った。3点目の、振動子による自己帰属感へのアプローチは、これまで視覚情報とマウスの移動に関する連動性から自己帰属感について検証してきたが、他のモダリティにおける自己帰属感については未検証であった。そのような中で、近年の映画館やVRなどのエンタテイメントにて、映像に連動し椅子が傾いたり動いたり振動する装置がある。しかし、この装置を利用した鑑賞者からの感想は「映像内の誰の体験であるかがわからない」というやや不快なものを示した。これは映像内と振動という帰属関係の設計の問題である。この観点から、振動子は映像内の誰の体験であるかにポイントを置き、振動を提供する必要があると考えられる。これはダミーカーソル実験のようにインタラクティブなメディアでなくとも映像内への帰属が実現できる可能性であり、重要な知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は突発的に展示依頼があったために、展示活動へ時間を注力することになったことが主な理由である。本年度は視線計測の環境整備を行った。また受動性を検証するための装置として2段式マウスの仕組み開発を行った。振動子による触覚からの自己帰属感へのアプローチを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
ダミーカーソル環境において、視線計測の実施する。そのための視線計測のソフトウェアとの連動計測ソフトウェアの開発を行なう。その後、ダミーカーソルの中からの自身のカーソル特定を行なう。また受動マウス実験については、プロッターではなく、物理的に接続した棒と板から連動するマウスをつくり、小さい鉄球の上で転がすことによって摩擦なく2つのマウスを連動する仕組みを開発する。
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Causes of Carryover |
本年度は申請時には予測されなかった、2016年3月に依頼があった本研究内容も関わる、長期研究展示依頼が入ったことによって、研究計画がずれ込んだことによって、研究費の使用もずれ込んだ。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度計画していた設備費品および、消耗品を購入する。またアイトラッカーについては既に購入しているが、本学内のアイトラッカーの利用変更も検討している。そのぶんを費用を実験ソフトウェアの開発に注力し、実験ソフトウェアの品質の向上に役立てる。
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