2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K21423
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
澤田 悠紀 帝京大学, 外国語学部, 講師 (10773236)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 建築 / 都市 / 景観 / 知的財産 / 法制度 / 不動産 / 著作物 / 所有権 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、建築・都市景観と知的財産法制度についての本課題の最終年度としてスタートした。前年度までに抽出された、建築の (A)創作物としての知的財産法的価値 (B)不動産としての財産的価値 (C)表現としての憲法的価値 (D)文化的所産としての文化財保護法的価値 の調整原理につき、最終的な検討を行いつつ、国内外における研究会や学会に積極的に参加し個別報告を行うことを通じて研究の総合化を図り、最終的な提言へと繋げる年度として位置づけた。 研究会や学会への参加のなかでも特に大きな成果を得られたのは、11月末にイタリア(ヴェローナ大学)において行われた学会における個別報告である。建築・都市景観と法との関係についてローマ法以来の伝統がある地において、世界中から集う法学および工学の専門家から個別報告への批評を受け、意見をたたかわせる機会が得られたことにより、本研究に残された問題点の洗い出しや、研究の意義についての新たな視点が得た。議論の中には、新たな研究課題として切り出すべきと考えられるものもあり、当該研究課題の外縁をどのように描くかという点について深い検討を行うことに繋がった。 同学会報告を基礎とする論考については、令和元年度中にドイツ De Gruyter 社より論文集として公表される予定であった。新型コロナウイルスの影響により来年度に公表延期となったものの、その論考に関連する章およびその他の章については腰を据えて執筆を続け、単著としての出版へと繋げる準備を整えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書に記載した「研究実施計画」における最終年度としての令和元年度の計画、ひいては、前年度に立てた令和元年度の計画に比して、多種多様のスケジュール変更により、国内外における個別報告などの公表機会を充分に得ることができなかった。そのことから、本研究につき最終段階で意見交換を行いたかった国内外の専門家の多くと接することもできておらず、自ら立てた研究の総合化の目標レベルにあと一歩、達していないと自己評価する。 当該年度、国内外における個別報告などの公表機会を十分に得られなかった理由は、主として2つある。1つ目は、本年度から所属研究機関が変わり、新機関においては出張や休講にかかる規則が大幅に異なっため、申請当初の出張予定が計画通りには遂行不可能となったことが挙げられる。2つ目に、そのことに伴い、多くの出張を本年度の全授業終了後の2月初旬から3月末に予定したものの、新型コロナウィルスによる影響で一切それらの遂行が叶わなくなったことが挙げられる。 結果的に、来年度を最終年度とせざるを得なくなったが、来年度は、当初の目標レベルに達する総合化を果たすことができるものと確信する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、本課題の最終年度として、前年度までに抽出された、建築の (A)創作物としての知的財産法的価値 (B)不動産としての財産的価値 (C)表現としての憲法的価値 (D)文化的所産としての文化財保護法的価値 の調整原理につき、最終的な検討を行いつつ、国内外における研究会や学会に積極的に参加し個別報告を行うことを通じて研究の総合化を図り、建築・都市景観に作用する法制度としての知的財産法制度のあり方につき、その将来像を構想し、提言をまとめる予定である。 国内外における研究会や学会への参加については、物理的な参加は未だ叶わない可能性があるものの、各種オンラインシステムが全世界的に使用されるようになってきており、そのことから、様々な分野の学会の研究大会が広く学会員以外にも開放されるなどの新たな動きもあるため、メリット・デメリットを見据えながら様々な模索を行いつつ、研究を遂行する。 最終的に、単著の公表に繋げる予定である。
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Causes of Carryover |
本年度、以下2つの理由により、国内外における個別報告などの公表機会を予定通り得ることができなかった。1つ目は、本年度から所属研究機関が変わり、新機関においては出張や休講にかかる規則が大幅に異なっため、前機関において申請した当初の出張予定が遂行不可能となったことが挙げられる。2つ目に、そのことに伴い、多くの出張を本年度の全授業終了後の2月初旬から3月末に予定したものの、新型コロナウィルスによる影響で一切それらの遂行が叶わなかったことが挙げられる。そのことから、出張費用に大幅な変更が生ずることとなった。 来年度は、本年度に行う予定であった出張を遂行し、国内外の専門家との意見交換を実現させ、当初の目標レベルに達する本研究の総合化を果たす予定である。
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Research Products
(1 results)