2017 Fiscal Year Annual Research Report
Comparison between visually impaired athletes and sighted subjects under conditions using dynamic spatial cognitive tasks
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16K21428
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
塩田 琴美 早稲田大学, 重点領域研究機構, 招聘研究員 (50453486)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 障害者スポーツ / 方向覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、H28-29年を通じて、ブラインドアスリートの聴覚空間認知特性の基礎研究として、動的環境下での聴覚刺激の角度変化が方向覚へ与える影響を明らかにすることを目的に行った。対象者は本研究に同意を得た視覚障害手帳を有するブラインドアスリート群と晴眼群とした。測定は体育館を使用し、基準歩行路の設定を行った。基準歩行路の延長上に聴覚刺激装置を30°-330°の範囲で置き、ビデオカメラ6台を設置した。対象者には、歩行中に音が鳴る方向に歩行するように指示をし、計測を行った。データ測定後は、動画データの分析を行い、対象者が実際に通過した地点をX,Y座標にデータ化し、ブザーの位置および基準路の各ポイントの座標から誤差角度を算出した。その結果、両群ともに、0°および180°の正中線上では誤差が低い傾向を示し、対称方向の角度における聴覚刺激時には誤差が増大した。また、晴眼群では、ブラインドアスリート群と比較し誤差角度の差が大きかった。このことから、ブラインドアスリート群では、動的場面において聴覚情報をより早く適切に処理をしていることが分かった。本研究課題を通じて、ブラインドアスリートを対象とした動的環境下の方向覚特性について新たな視座を得られたといえる。今後、さらにブラインドアスリートの空間認知特性の検討をしていくことで、そのメカニズムの解明や科学的根拠に基づいたトレーニング方法の開発につながることが期待できる。
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Research Products
(2 results)