2018 Fiscal Year Research-status Report
民間ユネスコ運動の形成と展開―戦後日本における平和運動の起源
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16K21438
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
齋川 貴嗣 高崎経済大学, 経済学部, 講師 (30635404)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ユネスコ / 平和運動 / 中華民国 / 冷戦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果は主に3つ挙げられる。 第一に、2018年7月2日から6日までオーストラリア・キャンベラのオーストラリア国立大学で開催されたオーストラリア歴史学会(Australian Historical Association)研究大会において大学院生2名とともにパネルを組織し、研究報告を行った。"Japan's Reintegration into the International Society in the 1950s: Japan's Admission to UNESCO and the Cold War"と題する報告で、日本のユネスコ加盟の過程における冷戦の文脈とその特異性を、特に中華民国政府の対日政策およびアメリカの対日占領政策の変化から分析した。 第二に、2018年8月30日から31日までスイス・バーゼルのバーゼル大学ヨーロッパ研究所で開催された国際会議において研究報告を行った。"The Formation and Development of the Non-Governmental UNESCO Movement in Japan during the Occupation Period"と題した報告において、日本の初期ユネスコ運動を政府との関係性から分析し、その草の根平和運動としての問題性を明らかにした。 第三に、2019年2月15日から23日まで台北に滞在し資料調査を行った。特に中央研究院近代史研究所档案館にて、中華民国の対ユネスコ政策に関する資料を収集した。初期日本のユネスコ運動ならびに日本のユネスコ加盟は、中華民国政府の対ユネスコ政策と連動していた部分が少なくない。それらを実証的に分析する資料を入手することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の進捗は、研究代表者の所属の異動等により、やや遅れていると判断せざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究進捗の遅れのため、研究期間を1年間延長した。本年度に実施した国際学会での研究報告および資料調査を踏まえ、最終年度では研究論文の執筆と発表を目標としたい。
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Causes of Carryover |
パリのユネスコ史料館での資料調査を、当初予定になかったバーゼル大学での国際会議報告と併せて実施することができたため。バーゼル大学での報告は招待講演であり、旅費その他の補助をバーゼル大学から得ることができた。差額は、論文執筆のための追加的な資料調査等に充当するつもりである。
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