2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of Cooperative Behavior and Construction of Learning Support System by Constructive Approach
Project/Area Number |
16K21442
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
渡邊 紀文 武蔵野大学, データサイエンス学部, 准教授 (30534721)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 集団行動分析 / 意図推定 / 意志決定過程 / 協調パターン / シミュレーション分析 / 行動の最適化 / 行動誘導 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,「自己の行動を優先した判断」および「他者の行動を推定し,その行動を優先した判断」を行うエージェントの実装と対人のシミュレーション実験を行った.グリッド上ですれ違い行動をするシミュレーション環境を構築し,強化学習の一つであるQ学習を用いて,能動的,受動的戦略を切り替えるメタ戦略を獲得したエージェントを実装した.本エージェントに対して被験者行動実験を行い,被験者がエージェントの行動から戦略を推定し,自身の行動を切り替えることを確認した.本成果は,集団行動において戦略を切り替えるエージェントが,人の行動戦略に影響を与えることを明らかにし,協調行動の獲得においてエージェントを利用したシステムが有効であることを示した. 本研究では,サッカー選手行動をトラッキングデータ,映像データから分析し,パス行動など選手間のインタラクションに関してのモデル化を行った.またドロネー三角形分割法を用いて,ボールホルダーやレシーバーなどのキープレイヤーを抽出するアルゴリズムを作成した.これらのモデル,アルゴリズムは,特定の目的を共有した集団での,協調した行動においても有効であると考えられる. 更に人において協調パターンがどのように獲得されるのかを明らかにするために,選手の視線行動に着目し,仮想環境を用いた行動実験を行った.実験結果より,仮想環境での学習により,被験者に選択的注意が生まれ,協調パターンを獲得できたことが示された. 集団における柔軟な協調行動においては,集団の意図の共有によるトップダウンの処理と,それぞれの行動に基づき状況に応じて動的にお互いの意図を推定し,調整するボトムアップの処理が行われている.今後は,能動的・受動的戦略を切り替える,メタ戦略を獲得したエージェントを利用し,人と相互に行動意図を推定し,それに基づいて協調行動を獲得する,集団の共有概念獲得システムの構築を行う.
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Research Products
(5 results)