2018 Fiscal Year Research-status Report
客観的指標に基づく点字ユーザの試験時間の設定--点字読書チャートの応用--
Project/Area Number |
16K21444
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
大島 研介 神奈川大学, 人間科学部, 非常勤講師 (80636811)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 点字 / 合理的配慮 / 試験時間 / 読書 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の第一目標は、一般的な試験と同じ状況で行われる黙読での読書速度を客観的に評価することであり、黙読用点字読書チャート(以下、黙読チャート)の開発をする。黙読チャートの開発に向け、基礎データの取得のための実験を実施する計画である。本年度は、実験で使用する文章の選定を行った。申請時の計画では、1ページに収まる程度の文章を想定していたが、(1)参加者によっては制限時間内に読み終わらないことがある、(2)実験全体の拘束時間が長くなる、の2点の理由より、文章の長さを短くし、点字にして200マス前後に収まる文章を選定することとした。以上の変更に基づき、黙読課題に使用する文章の水準をそろえるため、中等学校、および高等学校の国語の教科書より、基準に基づいて抜粋した文章を使用する選定を行った。選定した文章を、形態素分析により、単語に分け、単語親密度や文長、点字の複雑さなどの特性に関する評価を行い、各文章の特性の事前分析を行った。事前分析の結果、特性の類似していた文章を排除し、文章の特性が多様になるように選定を行った。今後、選定された文章を点訳を依頼し、作成できた点字文章を用いて、黙読における読書成績を測定するための実験を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の第一目標である黙読用点字読書チャートの開発のために必要な基礎データの収集の実験の実施が遅れている。申請時の計画のままでは、参加者の拘束時間が長くなりすぎるため、難易度の評価と文章の選定基準の変更が必要となったのが、大きな理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究遂行の遅れの原因となっていた難易度の評価と文章の選定の問題はほぼ解決しており、第1目標である黙読用点字読書チャートの開発の基礎データを取得するための実験の実施を行う。
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Causes of Carryover |
実験の実施が遅れており、参加者の謝金と分析に使用する予定のアルバイト謝金が次年度へと繰り越されたため。
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