2019 Fiscal Year Annual Research Report
Neural mechanisms underlying acquisition of musical schemata
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16K21452
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| Research Institution | Kanagawa University |
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Principal Investigator |
松永 理恵 神奈川大学, 人間科学部, 准教授 (70399781)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 音楽知覚 / バイミュージカル / 文化差 / 発達差 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
人間は，所属する文化に特有の“音楽スキーマ”を習得し，それを基盤として音楽認知処理を行う。では，音楽スキーマはどのような過程を経て獲得されるのだろうか。この疑問を扱った先行研究の多くは，西洋音楽文化圏で育つ欧米の聞き手に焦点を当てて取り組んできた。だが，世界を見渡せば，西洋音楽とは異なる音楽文化に育つ人々がおり，当然のことながら，彼らは西洋音楽スキーマとは異なる音楽スキーマを学習している。例えば，現代日本人もそうであり，彼らは西洋音楽スキーマと日本伝統音楽スキーマの両方を持つバイミュージカルな聞き手である。このようなバイミュージカルな聞き手による音楽スキーマ獲得過程についても未だ不明のままである。
本研究では，6歳から20歳までの現代日本人（約300名）を対象にし，彼らが音楽スキーマをどのように獲得していくのかを実験的に調べた。実験の結果，日本の子どもは，6-8歳の頃に西洋的音楽スキーマを獲得し，その後の8-10歳頃に日本的音楽スキーマも獲得してバイミュージカルとなること，13-14歳で主音の支配性を知覚できる程度に両音楽スキーマを精緻化していることが示された。さらに，欧米と日本の子どもの音楽スキーマ獲得過程を比較し，最初の音楽スキーマが芽生える時期は6-8歳頃と文化間で変わりは無く，その後のスキーマ精緻化の時期は文化間で異なることも指摘した。なお，これらの実験は査読付き学術雑誌・Music Perception（2020, Volume 37, 225-239）に掲載された。
本年度は，スキーマ獲得過程上に観察された文化共通的特性と文化特殊的特性を生み出す処理メカニズムの理解を試みるべく，計算モデルを用いたシミュレーション実験に着手し始めた。現在のところ，文化を超えて人間の音楽知覚行動反応をシミュレートできるdeep neural networkの開発まで終了した。
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