2017 Fiscal Year Annual Research Report
Maturation abnormalities of astrocytes in the brain of mouse model of psychiatric disorders
Project/Area Number |
16K21457
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
萩原 英雄 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 講師 (80514504)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 精神疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの解析により、成体のShn2欠損マウスの海馬においてアストロサイトの成熟異常が示唆されている。具体的には、成体の野生型マウスと比べてShn2欠損マウスで発現変化しているの遺伝子の発現パターンと、成体野生型マウスのアストロサイト(単離細胞)と比べて幼若野生型マウスのアストロサイトで変化している遺伝子の発現パターンが似ているということなどがわかっていた。しかし、これらの解析においては、単離したアストロサイトのマイクロアレイデータを用いているため、Shn2欠損マウスと幼若アストロサイトで共通して発現が変化していた遺伝子がアストロサイト特異的な遺伝子なのかは不明であった。そこで、アストロサイトに選択的に発現している遺伝子セットも含めてメタ解析を行った。まず、公的データベースを用いたCELL TYPE(S) ENRICHMENT解析を行い、ニューロン、マイクログリア、オリゴデンドロサイト、内皮細胞と比較してアストロサイトで発現量が高い遺伝子を選出した。得られたアストロサイト選択的遺伝子セットと、成体Shn2欠損マウスの海馬で発現変動している遺伝子セット、幼若野生型マウスの単離アストロサイトで発現変動している遺伝子セットを用いてメタ解析を行い、これらの遺伝子セットに共通する遺伝子を絞り込んだ。得られた遺伝子についてGene Ontology解析を行ったところ、Oxidoreductaseの働きに関わる遺伝子が含まれていることがわかった。Shn2欠損マウスの海馬のアストロサイトにおいて、細胞内の酸化還元状態の異常に伴う成熟異常が生じていることが示唆される。
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