2016 Fiscal Year Research-status Report
320列ADCTを用いた有病高齢者の口腔機能評価法の確立
Project/Area Number |
16K21459
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
金森 大輔 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (70586289)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 嚥下 / ADCT / 口腔機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的 これまで準備期・口腔期の舌運動はVF、MRI、US、舌圧センサーなどにより検討されてきた。しかしながら舌運動を4次元的に捉えることは困難であった。嚥下CTでは3次元データを時系列上に4次元で抽出できるため舌運動を可視化することができる。これまでに我々は2重造影を行うことで口腔内の運動をより鮮明にすることができるようになったことを報告した。本研究の目的は準備期・口腔期における嚥下動態の検討をすることである。 方法 対象は健常成人5名(平均年齢27±6 歳)とした。口腔内2重造影をおこない嚥下CTの撮影を行った。撮影されたデータからZiostation2 ( ziosoft社) を用いてVolume Rendering像(VR)および多断面再構成造像(MPR)の4次元画像を作成し舌、頬、口唇、軟口蓋の定性的な評価、舌骨上筋群の骨間距離の変化を検討した。 結果 5名中2名がtipper type 3名がdipper typeであった。 定性的な評価においては口唇頬粘膜の緊張後に咬頭嵌合位となり舌運動が開始していた。舌尖の口蓋への移動後、舌正中に陥凹が出現した。軟口蓋の挙上後舌根を下げることで半円状の管腔形成をしていた。嚥下反射と舌根を下げるタイミングは一致していた。 考察 口腔内2重造影にて従来の検討では難しかった準備期・口腔期の4次元的な評価が可能であった。舌にできる陥凹はUSやVFで報告を認めるが嚥下CTを用いることで嚥下に関 わる各器官とのタイミングなどの検討にも有用であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定どおり健常ボランティア5名の解析を行った。口腔の運動パターンに多様性があり現状の評価項目で問題がないか再検証を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
有病高齢者を対象としADCTを用いた口腔機能評価を行う。 320 列 ADCT を用い摂食時の口腔機能評価を実施する。CT 撮影の実施に当たって Fujii ら,Inamoto ら,Kanamori らの嚥下 CT 撮影と同様にガントリーを 22°傾斜させ嚥下 CT 専用 のリクライニング椅子を用いて撮影をする.撮影条件120kV,40mA 以下で撮影する。320 列 ADCT 付属ワークステーションおよび Ziosoft Ziostation2 にて解析する。本研究で得られたデータは本研究以外の目的で使用することはなく, 専用のパーソナルコンピュータを用いて専用の HDD に保存し管理,データ解析を行う。個人情報を 含むデータに関しては連結可能匿名化及び暗号化を行う。画像解析には定性的な評価として舌, 頬,軟口蓋,中咽頭,下咽頭などの動態を評価項目として用いる。定量的な計測項目は上顎骨, 下顎骨,側頭骨,舌骨,甲状軟骨,頚椎(C1~5)などを基準点として主に骨間距離から検討を行 う。
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Causes of Carryover |
学会出張で使用予定であったが、研究の進行が若干遅れたため研究報告ができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データのバックアップが必要なためHDD購入をする予定である。
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Research Products
(1 results)