2018 Fiscal Year Research-status Report
近代中国における学校管理学の受容と実践に関する基礎的研究
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16K21460
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
宮原 佳昭 南山大学, 外国語学部, 准教授 (60611621)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中国 / 近代 / 学校管理学 / 教育学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は日本および中国で史料収集を実施するとともに、史料を初歩的に分析することができた。 ①2018年7月6日から10日に東京へ出張し、早稲田大学中央図書館の特別資料室において、『普通百科全書』(上海会文学社、1902年)に収録されている『普通百科全書簡明目録』、『学校管理法問答』、『教育学問答』、『教授法問答』を閲覧し、史料の書誌情報や学校管理法に関する部分を筆写することができた。 ②2018年8月13日から19日に南京へ出張し、南京図書館の国学館閲覧室において、江蘇省議会編『江蘇省議会第一届常年・臨時会議決案類編』(江蘇省議会、1913年)、 同『江蘇省議会第三届常年・臨時会議決案類編』(同、1917年)など、江蘇省議会の学校管理関係議案を閲覧し、必要部分を写真撮影することができた。また同図書館が試用中のデータベース「中国歴史文献総庫・民国図書数拠庫」(2017年9月提供開始)を利用して、周維城・林壬著『新制学校管理法』(中華書局、1921年第10版、1914年初版)、鄭朝熙『単級小学校管理法』(商務印書館、1920年第6版、1915年初版)などの学校管理法教科書を新たに閲覧し、必要部分を写真撮影することができた。 ③2019年3月5日から6日に東京へ出張し、東京都立中央図書館において、マイクロ資料を閲覧し、『最新日本学校管理法関鍵』『新令適用学校管理法』の必要部分を複写することができた。 また、上記①の『学校管理法問答』の筆写に際し、原書である日本語版、および商務印書館漢訳版(上海図書館にて収集)と比較して内容を確認することによって、(1)上海会文学社版が日本語版の内容を省略せず訳出しており、和製漢語が多用されていること、(2)商務印書館版は日本語版のうち、日本の教育制度や外国人学者の言説に関する部分を適宜省略し、訳語の選択も中国の語彙であること、などの重要な点を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初に計画していた武漢での史料補充調査を実施することができなかった。また、収集した文献史料の分析および論文の執筆も当初の計画より滞っているのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は武漢での史料補充調査を実施するとともに、収集した文献史料の分析と論文の執筆を進めたい。
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Causes of Carryover |
平成30年度に予定していた武漢への出張を実施できなかったため、次年度使用額が生じた。これを平成31年度に実施する予定である。
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