2017 Fiscal Year Research-status Report
Thinking seriously about grassroots data after the Fukushima Daiichi nuclear disaster
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16K21476
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
阿部 康人 同志社大学, 社会学部, 助教 (70755660)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | データ / メディア / 福島第一原子力発電所事故 / 市民科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は前年度に引き続き聞き取り調査を行った。具体的には①みんなのデータサイトの参加測定室の方々(情報の送り手)②みんなのデータサイトのデータの利用者の方々(情報の受け手)に聞き取り調査を行うことができた。本研究の研究計画書でも述べたとおり、従来の市民による放射線測定ネットワーク研究では情報の送り手のみに注目した研究が大半を占めており、情報の受け手が実際にどのように市民の生み出したデータを消費しているのかということを検証した研究はなかった。これまでの聞き取り調査にご協力いただいた方々のおかげで、本研究を通してこれまでの研究で明らかにされてこなかった放射線測定ネットワークの側面を明らかにすることが可能である。 平成29年度の研究成果の一部は、 Unmediated Journal: Journal of Politics and Communication にMinna no Data Site (Site) and the Culture of Measurement after Fukushima (査読付き論文) として発表した。本論文では聞き取り調査などで得た知見に基づきながら、放射線の測定方法や測定データ、さらにはデータの表象方法まで測定ネットワークの放射線の知識(質・量)だけではなく、それらネットワークの文化(および価値観)も影響を及ぼしていることをみんなのデータサイトを事例として検証した。 平成30年度には、これまでの研究成果および今までの聞き取り調査で収集したデータをもとに国際学会や査読付き国際ジャーナルなどで研究成果を発表していく予定である。また、マスメディアの報道分析についても査読付き国際ジャーナルで発表をする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り平成29年度には①みんなのデータサイトの参加測定室の方々(情報の送り手)②みんなのデータサイトのデータの利用者の方々(情報の受け手)に聞き取り調査を行うことができた。本年度はの収集データの再分析を行い、必要に応じてフォローアップで聞き取り調査を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り、平成30年度には、これまでの研究成果および今までの聞き取り調査で収集したデータをもとに国際学会や査読付き国際ジャーナルなどで研究成果を発表していく予定である。また、マスメディアの報道分析についても査読付き国際ジャーナルで発表をする予定である。
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Causes of Carryover |
勤務先であった京都から東北や北海道までの出張をさらに複数回予定していたものの、その研究参加者が東京まで出てくる機会にお目にかかることができたため、出張費を抑えることができた。また、京都から東京へと勤務機関の変更に伴い、東京へ異動後の3月後半以降は出張費用を大幅に抑えることができた。今年度も可能な限り出費を抑えつつ、フォローアップ聞き取り調査を行う。
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Research Products
(4 results)