2017 Fiscal Year Research-status Report
最適化手法と人とのインタラクションによる対話型避難計画検討システムに関する研究
Project/Area Number |
16K21484
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
泉 朋子 大阪工業大学, 情報科学部, 講師 (70551505)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 避難計画 / 検討支援 / 地図システム / 最適化問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,発災時の避難行動を指示する避難計画の検討を支援するための避難計画検討システムを提案する.現状では,簡易な数理モデル上で最適解を得る手法の提案と,複雑な実状を考慮して人が検討をし修正をする場の支援が別々の分野で取り組まれているが,本研究ではこれら両方を考慮し,最適化手法からの解の提示とそれを見た人の検討を繰り返し行う避難計画検討支援システムを提案することを目指している. 昨年度は防災の専門家から避難計画検討に関する意見を収集し,システムのインタフェース設計の検討を行った.本年度はシステムへのデータ入力から出力まで一連の流れを想定したシステムのインタフェース設計について取り組み,さらに避難計画問題として問題を定式化し,最適化手法を提案することを目指した. 結果として,システムへのデータの入力については一般的なデータベースからの入力のほかに,現場の状況や環境のデータを音声やテキストで入力することにより状況や場所を特定する手法の提案を行った.これにより,地名や住所などによる検索とは異なり,特定の条件を満たす場所を地図上から検索することが可能となる.本研究の成果については国内の学会,および国際会議で発表を行っている.また,データの出力については地図をセルで分割し色によって状況を表現することとし,有効な情報が表現されており,かつ検討者にとって見やすい状況表現について検討を行い,さらに専門家に参加いただいて意見を収集した.その結果,認識できる色数や色表現についての知見を得ることができた.この成果についても国内の学会,および国際会議で発表を行っている. 一方避難計画問題の定式化と最適化手法の提案については,ユーザからの入力が繰り返し行われる中での定式化について検討中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
避難計画支援システムのインタフェースについては,昨年度と同様に今年度も専門家から意見をいただき,入力・出力の両面で検討と提案内容の検証を行っている.しかし一方で,ユーザとのインタラクションがある場での最適化問題の定式化と手法の提案については取り組みが遅れている.以上のことから,システム側の課題については成果が得られているものの,最適化手法の研究についてはやや遅れていると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度にも防災の専門家からの避難計画検討に関する意見を得ることができ,避難計画検討支援システムの入力・出力インタフェースの検討,および提案と検証を行った. 計画では次年度に提案手法の改善と評価実験の実施を繰り返すこととしていたが,本年度の前半に取り組みが遅れている最適化問題の定式化と手法の提案に注力する.研究を推進するため,関連する研究者と意見交換の場を設けることなどの調整はできている.その後,これまでの提案内容に基づき,避難計画検討支援システムとして一つのシステムを試作し,評価実験を行うことを目指す.
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Causes of Carryover |
(理由) 研究成果発表の学会が日本から近い場所で開催されたために,旅費が当初予定よりかからなかったこと,およびインタフェースに関する被験者実験において実験タスクの負荷が少なく,実験謝金が当初予定より支出されなかったことが理由である. (使用計画) 次年度には昨年度と継続してインタフェースの設計時に被験者実験が必要なため,これらの助成金を利用する.実験には計画通りに本年度購入をした計算機やモニタを利用する.また,実験にかかる旅費,謝金,および人件費,さらに成果発表のための旅費に使用する.
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