2016 Fiscal Year Research-status Report
汎用ハンドによる組立作業の実現性向上のためのアライメント戦略と把持形態の総合計画
Project/Area Number |
16K21485
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
土橋 宏規 立命館大学, 理工学部, 助教 (50634490)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 汎用ハンド / 平行スティック指 / アライメント / ぐらつきにくさ / 運動制約 / 定量的評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,工業製品の組立作業において,互いに平行な複数のスティック状の指を有する汎用的なロボットハンド(以下,汎用ハンド)により,作業台面上に供給された多種多様な形状の部品の初期位置・姿勢の誤差をアライメント(整列)操作を行うことで吸収し,組立作業を確実に実現できるようなアライメント戦略および把持形態を総合的に計画するための手法を構築することを目的としている.
平成28年度には,アライメント操作中に対象部品がぐらつかないかどうかを判定するための方法として,アライメント操作中に汎用ハンドの1本以上の指と対象部品とが接触する場合における,対象部品のぐらつきにくさの定量的評価手法を提案した.
既に本研究の予備的な成果においても,対象部品のぐらつきにくさを定量的に評価する一手法を提案していたが,当該手法では汎用ハンドの指の動きによって生じる対象部品のぐらつき時の運動制約が考慮されておらず,ぐらつきにくさの評価結果が適切でない場合が生じるという問題があった.また,同手法では,アライメント操作中に1本の指と対象部品とが接触する場合のみを対象としており,2本以上の指と対象部品とが接触する場合には適用することができなかった.このため,本年度に提案した手法では,そのような対象部品の運動制約を考慮し,ぐらつき時に許容される対象部品の運動を加味した上で,複数本の指と対象部品とが接触する場合においてもぐらつきにくさを評価することができるようにした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では,当初,予備的な成果としてこれまでに提案している対象部品のぐらつきにくさの定量的評価手法を応用する方針であったが,当該手法では,先の研究実績の概要で述べたように汎用ハンドの指の動きによって生じる対象部品のぐらつき時の運動制約が考慮されていないことが明らかとなった.このため,当初前提としていたぐらつきにくさの評価方法を再構築することが必要となり,進捗状況が当初の予定よりもやや遅れている状況にある.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度には,平成28年度に提案した対象部品のぐらつきにくさの定量的評価手法を用いて,アライメント戦略と把持形態の総合的計画方法の構築を行う.また,その方法に従って実部品を対象としたアライメント戦略と把持形態の総合的計画手法を構築するとともに,実機実験による実現性の検証を行う.
|
Causes of Carryover |
平成28年度には,主としてCADソフトウェアとCAD用ワークステーションの購入を想定していたが,研究代表者の所属機関が変わる可能性が生じたため,当初の予定を変更し,これまで前提としていた研究設備を新たに整備する必要性が生じた.しかし,次年度以降の所属機関が確定し,その研究環境が明らかになるまでに時間を要したため,当年度には必要な設備を整備するまでには至らなかった.このため,当初の未使用額が発生することとなった.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降の所属機関において,研究遂行上必要となる研究設備の整備費に充てる.
|