2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K21496
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
岡崎 史子 龍谷大学, 農学部, 講師 (10756745)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 果物アレルギー / 食物アレルギー / 桃 / りんご |
Outline of Annual Research Achievements |
近年増加傾向にある果物アレルギーは、乳幼児に多い卵、乳、小麦のアレルギーと異なり、成長してから発症し、さらには対象となる果物が増えていくことが多いという特徴をもつ。先行研究にて、代表的な果物アレルゲンであるLipid Transfer Protein(LTP) の研究過程で新規アレルゲンGibberellin Regulated Protein(GRP)を発見した。これまでに、桃GRPが、重篤なアレルギー症状を引き起こすことを明らかにしている。本研究では、このGRPの特性を明らかにすることで、果物アレルギーの診断・治療・予防に役立てることを目的としている。平成28年度は、解析材料の調製と解析ツールの確立を目指して主に以下に述べる3点について研究を進めた。いずれも、これまでの先行研究を発展させるための下地作りである。 ①これまでの研究にて作製済みであった、桃GRP、LTPに対するモノクローナル抗体を用いて、桃果実からGRP、LTPの純化をおこなった。桃GRP、LTPともに、非常に純度の高いサンプルを確保することができた。 ②現在、アレルギー診断に用いられている抗原の多くが、リコンビナント抗原であることから、リコンビナント桃GRPを酵母と大腸菌でそれぞれ作製した。 ③これまでの研究にて作製済みであった、桃GRP、LTPに対するモノクローナル抗体を用いて、食品中の桃GRP、LTPを高感度に検出できる定量系を構築した。 今後は、これらの解析をすすめ、GRPのアレルゲンとしての特性を明らかにしていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、解析材料の調製と解析ツールの確立を目標として取り組み、おおむね予定どおりに進んでいると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
①桃GRPがなぜ強いアレルゲン性をもつのか、他の果物アレルギーにも関与しているのかどうかを明らかにする。 ②作製したリコンビナントGRPを、患者血清やモノクローナル抗体をもちいて免疫学的に評価する。
|
Causes of Carryover |
キャンペーン価格で購入できたものが多かったことに加え、予定より効率的に研究が進んだため。また、スケジュールが調整できず学会発表ができなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
効率的に研究を進めるため、セミドライ式のウェスタンブロッティング用転写装置の購入にあてることを検討している。
|