2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K21498
|
Research Institution | Meiji University of Integrative Medicine |
Principal Investigator |
谷口 授 明治国際医療大学, 鍼灸学部, 助教 (60555655)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 灸 / TRPV1 / DRG / オキシトシン / 室傍核 / 結腸運動 / 炎症 / セロトニン |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦では、民間療法としての「お灸」が広く浸透している経緯があるが、近年、セルフケアとしての「お灸」が女性を中心に再びブームとなっている。灸は、胃腸疾患、婦人科疾患、感冒などに効果的であるとされており、患部や経穴を温めることで気血の流れを促すとされているが、その効果の科学的な作用機序については未だ解明されていないのが現状である。また、炎症は熱関連受容体であるTRPV1を活性化させることが報告されたが、TRPV1は活性化するとその受容体の域値が下がり体温でも神経が興奮することが知られている。そこで本研究では、施術局所の微細な炎症を引き起こす灸の作用機序について、その炎症がTRPV1を介し、体表からの入力を持続的に上位中枢へ送っているのではないかとの仮説のもと行うこととした。 初年度は、灸刺激による後根神経節(DRG)におけるTRPV1の発現を確認することを目的として実験を行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者が、出産・育児休業に入ったため、研究活動を休止している状態である。休業前までに、無刺激ラットでのDRGにおけるTRPV1の発現を分子生物学的手法により確認することが可能となっている。復帰後、再開する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
復帰後は速やかに研究活動を再開し、実験精度を高めるとともに灸刺激に対するTRPV1の反応も随時確認していく予定である。また、室傍核におけるオキシトシンの発現についても確認し、灸の作用機序解明に繋げたいと考えている。また、本申請研究で得られた成果は、学会発表を行うとともに論文投稿を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
研究代表者が育児休業中のため、本年度に実施予定であった研究が遅れている。そのため、当該研究に使用する消耗品費を次年度に使用する。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
本申請研究において、次年度はIBSモデルラットを用いて灸刺激に対する結腸運動を捉える予定であったが、上述の通り、遅延している研究を遂行するために本年度未使用の消耗品を使用する予定である。次年度の助成金については当初の計画通り使用する。
|