2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of stretchable sheet mimicking hard tissue for elucidating cellular network in periodontal tissue
Project/Area Number |
16K21499
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
坂井 加奈 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (30632096)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 機械的刺激 / 歯周組織 / デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
矯正治療に伴う人為的歯根吸収のメカニズムは未だ完全に解明されておらず、生来歯根の短い患者などは治療の選択肢が制限されている。もし、人為的歯根吸収を誘導する歯周組織の細胞応答機序をIn vitroで「簡便かつ正確に」解明出来る画期的な基盤研究ツールが開発されれば、新規メカニズム解明や治療法の開発に繋がり、治療を享受出来る患者数の増大に大きく寄与できる。特に、力学刺激に曝された歯周組織に存在する細胞間ネットワークの解明は、歯根や歯槽骨吸収などの病態解明に道を開きうる。しかし、その特異的研究ツールは乏しく、研究遂行の大きな妨げとなっている。本研究は、応募者等が独自開発を進める硬組織模倣シート(高分子膜上に硬組織成分同様のナノリン酸カルシウムを強固に固定したNano-CaP/高分子膜)を応用し、力学的刺激可能な「セメント質・歯根膜・骨」構造を模倣した2次元細胞培養デバイスの創製を目的とする。平成30年度には、得られたナノリン酸カルシウム結合高分子膜上において、複数の細胞の接着挙動、伸展挙動、タンパクの剥離状態を確認した。その結果、ナノリン酸カルシウム非結合高分子群に比べナノリン酸カルシウム結合高分子群は優位な細胞接着をもたらすとともに、播種された細胞の伸展挙動が確認できた。申請期間全体を通しては、ナノリン酸カルシウムを結合させたポリジメチルシロキサン(PDMS)膜の合成に成功した。一定の条件下で同高分子膜に結合させられたナノリン酸カルシウムは、繰り返しの伸展や超音波洗浄が行われた場合でも剥離が見られなかった。また、同材料上での複数の細胞の接着・伸展に成功したことから、同材料は歯周組織細胞間ネットワーク解析を進めるデバイスとなる可能性が示唆された。
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