2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K21526
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| Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
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Principal Investigator |
秦 洋二 流通科学大学, 商学部, 准教授 (70512698)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | ネット通販 / オムニチャネル / サービス / 電子書籍 / 購買行動 / 商業環境 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
近年、インターネット通信販売（ネット通販）の伸張に伴い、消費者の購買行動に関する意思決定においては、ネット通販とリアル店舗の選択や、実物商品と電子媒体の選択が必要になる等の変化が見られる。本研究は複雑化する現代の消費者の購買意思決定に対して、消費者特性と消費者を取り巻く空間的要素が及ぼす影響について考察することを目的に構想されたものである。研究の具体的な目的は、都市化の進展度、大型店立地状況、交通インフラの整備状況等が異なる複数の都市の消費者を対象に、出版物の購買行動に関する質的調査及び量的調査を実施し、消費者の購買意思決定が、ICT環境、商業環境、消費者自身の関与水準の違い等の消費者特性によってどのように変化するのかを明らかにすることである。
今年度は、出版物購入に関する探索的アンケート調査を実施し、分析を行った。その結果、インターネットの利用が、ネット書店の利用と直接的には結びつかないこと、本の探索を行う場合でもネット書店よりもリアル書店の利用者の方が多いことなどが明らかになった。その結果から、新しい消費者の分類枠組みについて検討した。その結果、消費者の分類軸として①情報の内容、②販売チャネル、③商品の性質が有効であることが確認された。また、電子書籍ユーザーは、紙媒体からの移行者が多いと考えられること、非読者層を読者層へと移行させることで、各種サービスの利用を促すことができる可能性が示唆された。しかし、紙媒体を利用していた消費者が、どのようにして電子書籍読者に移行するのかについて、その理由やメカニズムを明らかにすることはできておらず、次年度以降の課題として残った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、平成28年度～平成30年度の3カ年にわたって研究を行う。平成28年度は、次年度以降の本格的調査の準備段階と位置づけており、経済・流通地理学および商業論、消費者行動論といった関連諸分野の最新の理論的・経験的研究成果を渉猟し、批判的に検討した。また、インターネット通販とリアル店舗をどのように消費者が使い分けているのかを明らかにするため、消費者に対する探索的アンケート調査を実施した。当初の計画ではアンケート調査の実施は来年度以降とする予定であったが、仮説導出などの作業が順調に進んだために、前倒しで調査を実施することができた。この結果を基に次年度以降は本調査を実施する予定である。探索的調査の結果、アンケートの質問項目について改善すべき点がいくつかあることがわかったが、全体的には概ね順調に進展していると言って差し支えないと考えている。
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| Strategy for Future Research Activity |
来年度以降は、前年までに行った調査結果を基に、質問票を作成し、本調査を実施する予定である。具体的には、読書量の差がある消費者に対してアンケート調査を実施し、書籍・雑誌などの出版物購入時における消費者のチャネル選択と消費者環境、消費者の関与水準によって、消費者の購買意思決定パターンがどのように変化するかを調査する。読書量は、一ヶ月当たりの読書冊数・書籍購入額、一日当たりの読書時間などを基準に三段階に分けてスクリーニングを行う。前年度の文献レビューと聞き取り調査をもとに導かれた仮説に基づき、リサーチ会社モニターをサンプリングし、インタビュー調査を行う。インタビュー調査では、日常の出版物の購買額、読書ジャンル、読書時間や出版物に関する情報探索行動及びその情報源、出版物に関する知識等に関する半構造化インタビューを行う。このインタビュー調査において得られた知見に基づき、消費者の価値観を的確に把握できる質問票を作成し、調査対象都市でリサーチ会社モニターに対する量的調査を実施する。1都市あたり300名のモニターの内訳は、読書量の多い消費者100名、読書量が中程度の消費者100名、読書量が少ない消費者100名である。日常の出版物の購買額、読書時間、読書ジャンル、出版物に関する情報探索行動と情報源、商品知識の程度等を明らかにし、購買行動との関係性を把握する。また、各消費者の商業環境、ICT機器の使用状況等よって、消費者の情報探索、チャネル選択、商品選択がどのように変化するかを分析する。各セグメントの消費者行動を、ICT環境、商業環境、消費者自身の特性に基づいて整理し、仮説を検証する。
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Research Products
(2 results)
