2018 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者と家族介護者に対する共作業を用いた作業療法評価・介入プロセスの構築
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16K21536
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
小野 健一 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (40612982)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 作業療法 / 認知症 / 家族介護 / 共作業 / 地域リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き,在宅生活を送る認知症高齢者と家族介護者に対して,共作業支援尺度(MSC: Measure of Supporting Co-occupation)を使用し,共作業に着目した訪問作業療法の効果を検証した.家族介護者に対しMSCを用いた結果,認知症高齢者,家族介護者,作業療法士が協力して介入する共作業として,自宅でのシャワー浴を獲得することを目標に挙げることができた.介入は,認知症高齢者の作業遂行を改善するための動作指導と環境調整,家族介護者の介護技術の獲得と,認知症や介護に対する知識の整理を行うプログラムを中心に実施した.その結果,これまでは介護保険サービス時のみの入浴であったが,家族介護者の協力のもと自宅でのシャワー浴が可能となり,MSCで評価される家族介護者の共作業継続意志も改善していた. 上記結果に加え,Neuropsychiatry Inventory- Questionnaireを用いた認知症高齢者のBPSDの得点と,BPSDに伴う家族介護者の介護負担の得点は,介入前後の変化が重要最小変化量を超え減少していた.すなわち,共作業に着目した訪問作業療法の効果が示唆された. 上記の成果に加え,共作業の理解と普及を図るために,第31回岡山県作業療法学会のシンポジウムの中で,「共作業の視点から作業療法の専門性を探求する」というテーマで発表を行った. 一方で,MSCの信頼性・妥当性に関するに含まれている「共作業継続意志」の新たな因子の検討を継続して行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在,MSCの「共作業継続意志」の潜在的な因子を再検討するために専攻研究のReviewを行っているが,研究者自身の研究外の業務の多忙さが原因で研究の進捗状況が滞っている. また,上記のReviewにおいても,「共作業」に関連する資料が散見される程度であり,予定していた情報収集の期間が長期にわたり必要となっている.
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Strategy for Future Research Activity |
MSCを用いた介入効果の研究成果の発表を迅速に行う. 同時に,MSCの「共作業継続意志」を構成する因子を特定するためのReviewを速やかに行い,有識者の意見を聴取する.当初はNominal Groupの開催を予定していたが,先行研究をもとにした「共作業継続意志に必要と考えられる項目のチェックリスト」を作成し,有識者の判断の是非を内容妥当性比を用いて検証する. 上記,内容が終了し次第,共作業継続意志の内容妥当性に関する研究発表を行う.
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Causes of Carryover |
研究全体の遅れに伴い,学会等での研究発表,情報収集で使用する予定であった旅費と,研究成果の発表時に必要な論文投稿,校正に関る費用等を使用できなかった. そのため,翌年度は学会での研究発表時に必要となる旅費,論文投稿で必要となる費用を使用する予定とする.また,今後,内容妥当性比を用いた有識者とのディスカッションを行う予定であるため,有識者への謝金としても使用する予定である.
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Research Products
(1 results)