2016 Fiscal Year Research-status Report
小児患者のためのインフォームド・アセントの普及に向けた視覚的要件の研究
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16K21537
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
岩藤 百香 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 講師 (80612986)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | インフォームド・アセント / 小児医療 / デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「インフォームド・アセント(小児医療において保護者でなく患児本人に症状や治療内容を説明し、自発的賛意を求めること)」における情報伝達ツール作成および院内環境装飾を効率的に行うための手引書を取りまとめることである。 手引書を検証する際に見本となるデザインモデル作成のため、平成28年度は2つの調査を計画の主軸に置いた。 1.インフォームド・アセント実施状況のアンケート調査…日本国内の小児科を有する中規模以上の総合病院を対象として、実施状況・関係職種・必要性の有無・情報の正確さおよび患児のストレス軽減に対する配慮などを調査し、現状およびニーズを把握する。このうち、アンケート用紙はほぼ完成しており、対象となる病院のリストアップを行うとともに、倫理委員会の承認を経て実施に向かう段階である。 2.インフォームド・アセント事例の現地調査…ブラジルのサンパウロにあるACカマルゴがんセンターにおいて、映画配給会社Warner Brosとの協力により展開されているインフォームド・アセントプロジェクト『Superformula(スーパーヒーローによる処方)』について現地調査を行った。プロジェクトに関わる医師であるDr.Cecilia Maria Lima da Costa MD, PHD と Nevicolino Carvalho Pediatric Oncologist 2名にインタビューし、プロジェクトの成り立ちや現状、患児に対する効果などの情報を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アンケート内容の精査に時間を要したことに加え、調査対象となる病院のリストアップおよび倫理委員会への承認が遅くなり、年度内の実施に至らなかった。また、国内の先行事例調査が予定の件数に達しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、 デザインモデルの作成および評価のため、下記の計画を遂行する。 1.国内の小児科を要する中規模以上の病院を対象としたインフォームド・アセントについての記述式アンケート調査。 2.アンケート調査の分析による実施の現状と医療現場におけるニーズの把握。 3.事例調査として国内の病院における見学およびインタビュー。 4.患児と関わる医師や看護師とインフォームド・アセント時に患児の理解を高めるポイントについてのディスカッションおよびデザインモデルの作成。
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Causes of Carryover |
国内の小児科を有する中規模以上の病院を対象としたインフォームド・アセント実施状況についてのアンケート調査が未実施だったため、郵送費および結果入力のための人件費が発生しなかったこと、国内での事例調査が予定件数に達しなかったため、旅費が減少したことが主な理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度の研究計画に基づき以下の使用を予定している。 1.国内のインフォームド・アセント実施状況把握のためのアンケート調査および分析(郵送・印刷費・人件費) 2.国内の病院における事例調査(国内旅費) 3.事例調査の報告および情報収集(国内旅費) 4.デザインモデルに対するディスカッションおよび評価(被験者謝礼品)等
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