2018 Fiscal Year Research-status Report
小児患者のためのインフォームド・アセントの普及に向けた視覚的要件の研究
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16K21537
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
岩藤 百香 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 講師 (80612986)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インフォームド・アセント / 小児医療 / デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,インフォームド・アセント(小児医療において保護者でなく患児本人に症状や治療内容を説明し、自発的賛意を求めること)に用いられる資料に着目し、医療従事者が説明しやすく,小児にとって分かりやすい「言葉のみに頼らず視覚的にデザインされた資料」が全国的に共有されることを将来的な目標に据えて,開発に有効なデザイン要件を明らかにすることを目的とする. 要件を洗い出すため、2018年度は2つの調査を計画の主軸に置いた。 1.インフォームド・アセント実施状況のアンケート調査 …日本小児がん研究グループに所属する197施設を対象として、資料作成の実施状況・作業環境・必要性の有無・内容面とデザイン面への配慮などを調査し、現状およびニーズを把握する。倫理委員会の承認は得ており、郵送によるアンケート調査を行い回答を得た。質問紙は、IAシート作成の実施状況について[1]実施経験あり[2]必要性は感じるが実施に至らない[3]必要性を感じない、の3カテゴリで構成し、「とてもそう思う」から「全くそう思わない」までの5件法として回答を得た。 2.インフォームド・アセントに用いられる資料の収集 …改善モデル作成に向けたデザイン分析用サンプルとして、現在使用されているインフォームド・アセント資料を収集した。現在も引き続き収集を行っており、可能な限り収集したサンプルに対してデザイン的視点から分析を行うことで、視覚的改善要素の抽出を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
収集したアンケート分析に時間を要したことから、年度内の要件明確化にいたらなかった。 また、デザイン分析用サンプルとして収集した現状のインフォームド・アセント資料が予定の件数に達しなかったため、改善モデルの作成に着手できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、要件明確化のため、下記の計画を遂行する。 1)日本小児がん研究グループに所属する194施設で現状使用されているインフォームド・アセント資料の収集、2)アンケート調査の分析による実施の現状と医療現場におけるニーズの把握、3)収集した資料のデザイン面の分析、4)資料の改善モデルについて、患児と関わる医師や看護師とのディスカッション、5)事例調査として国内の病院における見学およびインタビュー。
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Causes of Carryover |
(理由)日本小児がん研究グループ加盟の病院を対象としたインフォームド・アセント実施状況についてのアンケート調査および分析が予定より遅延し、ハンドブック作成に至らなかったこと、国内の事例調査が予定件数に達しなかったため、旅費が減少したことが主な理由である。 (使用計画)2019年度の研究計画に基づき以下の使用を予定している。1.国内の病院における事例調査(国内旅費)2.学会等における情報収集(国内旅費)3.資料におけるデザイン要件に関するディスカッション(被験者謝礼金)4.ハンドブック作成(印刷費)等
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