2017 Fiscal Year Research-status Report
「放課後子ども総合プラン」における学校と放課後支援事業との連携モデルの開発的研究
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16K21538
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Research Institution | Kurashiki Sakuyo University |
Principal Investigator |
鈴木 瞬 くらしき作陽大学, 子ども教育学部, 講師 (00740937)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放課後子ども総合プラン / 組織間関係 / 連携対象(資源) / 学校 / 放課後児童クラブ / 放課後子ども教室 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、昨年度の文献調査、予備調査の結果を踏まえて、岡山県、広島県、山口県の市町村における小学校を対象とした「放課後子ども総合プランと学校との連携に対する志向性」を明らかにする質問紙調査を実施した。具体的には、放課後児童クラブの指導員や放課後子ども教室のボランティア等も、複雑化・多様化する教育課題へ対応するための重要な連携対象(資源)となり得るのかについて検証するために、小学校の管理職を対象としたアンケート調査を実施した。 本調査を実施するにあたり、まず2018年1月に岡山県・広島県・山口県の69市町村の教育委員会に調査依頼を郵送した。そのうち、教育委員会より許可を得られた30市町村の小学校(511件)を対象として、小学校と「子どもの放課後対策事業」との組織的関係に関するアンケート調査を実施し、246件の小学校より回答を得た(回収率:48.1%)。その結果、学校と放課後対策事業との組織的関係を構築するためには、①連携実践とこれまでの経験には一定の関連があること、②「小学校教員としてのかかわりの経験」は、放課後対策の適切な理解と組織的連携システムの構築と関連があること、③「校長・教頭としてのかかわりの経験」は、形式的側面での連携実践の活性化と関連があること、④家族の経験は、連携実践や情報共有の内容の実質化・個人化と関連があること、⑤放課後対策事業担当者がいる学校では、連携実践の仕組みが構築されていること(学校化の側面を含む)を意識したモデル構築の必要性があることが明らかになった。 また、上記の結果を踏まえつつ、広島県、山口県において、自治体における学校と放課後支援事業との連携関係の実態と課題を明らかにするために、事例調査を行った。個別学校単位での放課後支援施策の目的や位置づけの差異や、実践内容について、関係者へのヒアリング調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の調査でやや遅れていた質問紙調査の実施に加え、事例調査の実施状況を踏まえると、平成29年度は概ね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進の方策については、以下の通りである。 まず、質問紙調査の分析結果について平成30年7月に発表を行い、文章化する。その結果を踏まえ、事例調査の実施を継続的に行う。なお、勤務校の事情により、授業期間(4~7月および9~1月)は定期的にフィールドワークに赴くことが困難であるため、それ以外の期間での調査実施になることが予想される。その点については昨年度も同様であり、研究遂行上の課題である。以上を踏まえ、当初は平成30年8月までに事例調査を終了する予定であった計画を変更し、事例調査期間を延長して研究遂行を目指す。
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Causes of Carryover |
まず、質問紙調査のデータ入力等を平成30年4月に実施しているため、その支出が計算されていないことがげられる。また、勤務校の事情により、事例調査に赴く期間が限定されてしまっているため、予定していた事例調査を遂行しきれていないため、次年度使用額が生じている。平成30年度は勤務校の長期休業期間を活用し、事例調査を追加実施することで、助成金の使用を計画している。なお、今年度は研究結果の発表、報告書作成等においても当該予算を使用する計画である。
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