2017 Fiscal Year Research-status Report
合併が低費用航空会社に与える影響に関する実証的研究
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16K21540
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
朝日 亮太 九州産業大学, 商学部, 講師 (10712359)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | LCC / 合併 / アメリカン / USエア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、従来型の航空会社(FSC)の合併に対する低費用航空会社(LCC)の運賃設定行動の変化についての分析を行った。主に、アメリカンとUSエアの合併に焦点を当て、アメリカン、アメリカンと対峙するLCC等のライバルの合併後の運賃設定行動の変化に関して、2009年と2014年のデータを用いて実証的分析を行っている。結果として、アメリカンは合併後にほとんどの路線において運賃上昇行動をとったこと、LCCについては多くの路線において合併後に競争的運賃設定をしていること等を示した。本研究の意義として、第一にあまり実施されていない近年の合併を取上げたことが考えられる。第二に、対象とした合併が、LCCに近い特徴を有していると指摘されたアメリカウエストがUSエアと2005年に合併し、そして2013年にアメリカンと合併するというケースであったということである。このケースを取り上げた本研究の成果はLCCの合併・買収に関する研究に対し、今後、様々な示唆を与えられる。そして、LCCが合併に際し、他の航空会社の運賃上昇に追随しないことを示した点については、合併が発生し、合併企業が市場支配力を強めたとしても、LCCにより競争が弱まらない可能性を示唆している。このことは、産業内におけるLCCの役割を考える上で、今後参考になると考えられる。 また、本年度は、大規模のネットワークを有するLCCの参入前後の行動についても分析した。そして、LCCは参入時に強い競争的運賃設定を行わず、状況に合わせ、柔軟に運賃設定をする可能性を示している。この点については、合併により成長したLCCの参入後の行動変化の可能性を示した点に意義があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析の順序は異なっているものの、当初予定していたケースについての分析は順調進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ユナイテッド・コンチネンタルのケース等についての分析を行うと同時に、これまでの研究についてまとめ、合併がLCCに及ぼす影響について、考察していくことを予定している。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由として、本来予定されていた旅費の支出がなかったことがある。 翌年度については、情報収集のための旅費を主な用途としつつ、不足している資料費、英文校正費などの使用を予定している。
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