2017 Fiscal Year Research-status Report
学校におけるグローバル時代に対応した感染症予防教育プログラムの開発と効果検証
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16K21548
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
立石 麻梨子 久留米大学, 医学部, 助教 (40750154)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 海外渡航 / 感染症 / 高校生 / 大学生 / グローバル化 / 健康危機管理 / 予防接種 / 学校保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,1.高校生・大学生の海外渡航における健康管理とリスク認識の実態を明らかにすること,2.学校における海外渡航に伴う感染症予防教育の現状とニーズを明らかにすること,3.グローバル化時代に対応した感染症予防教育プログラムを開発・効果検証することである.
研究1:高校生・大学生の海外渡航における健康管理とリスク認識の実態を明らかにするために,前年度に20都道府県の高校生2,234名と大学生1,057名に実施した,無記名自記式質問紙調査の集計と分析をした(有効回答率:73.4%).個人の健康リスク認識力と渡航前準備の認識力と個人特性との関連を重回帰モデルで解析したところ,健康リスク認識力の低さに関連する因子は,海外渡航経験者(p<0.01),高校生(p=0.02)であり,渡航前準備の認識力の高さに関連する因子は,トラベルクリニックを知る者(p<0.01),感染症情報の入手方法を知る者(p=0.02)であり,低さに関連する因子は海外渡航経験者(p<0.01)であった.過去5年間の海外渡航経験者は,高校生34.6%,大学生32.0%であり,そのうち高校生67.2%,大学生69.4%は渡航中の健康問題を経験していた.渡航経験に関わらず,高校生と大学生の健康リスク認識や準備の状況は十分とは言えず,渡航経験者の6割以上が健康問題を経験していたことから,渡航前の健康教育の充実が必要であることが示唆された.なお,研究結果については,第21回日本渡航医学会学術集会にてマルコポーロ医学賞(優秀演題賞)を受賞した.
研究2:学校における海外渡航に伴う感染症予防教育の現状とニーズを明らかにするために,A地方のスーパーグローバルハイスクールとアソシエイト校に指定された高校全校に調査依頼を行い,協力の得られた9校に所属する教員にインタビュー調査を実施した.調査結果の分析は,平成30年度に実施する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は,海外渡航時の健康管理に関するインタビュー調査結果の分析まで進める予定であった.しかし,平成28年度に実施した質問紙調査の集計と量的分析を平成29年度に持ち越したことから,インタビュー調査に関する研究の取り組みが11月以降の開始となり,やや遅れた.また,インタビュー対象者の都合を最優先にインタビュー日を調整した結果,3月末まで調査を実施した. 当初の予定であるインタビュー結果の分析までには到達していない状況であるが,インタビュー調査では9校の学校の協力を得ることができたため,質の高いデータを収集できたと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,(1)平成29年度に実施したインタビュー調査の分析を勧めること,(2)研究成果を学会報告しフィードバックを得ること,(3)平成28年度の質問紙調査の研究協力校に調査結果をフィードバックすること,(4)グローバル化時代に対応した感染症予防教育プログラムを開発することを計画している. (1)は,8月までに完了する予定である. (2)平成28年度の研究については日本渡航医学会誌への投稿中である.また,7月に開催される第22回日本渡航医学会学術集会にて,マルコポーロ医学賞の受賞講演を予定している. (3)学会誌掲載後に,平成28年度の質問紙調査の研究協力学校に対し,調査結果を資料にて報告する. (4)平成28年度および平成29年度の研究結果を基に,グローバル時代に対応した感染症予防教育プログラムを開発する.今年度は,渡航医学に精通した医師,学校保健師または養護教諭,学校と旅行契約を結ぶ旅行業者,学校管理職等に協力を依頼し,海外渡航の際に必要な渡航前健康教育の内容について検討を行う予定である.
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Causes of Carryover |
平成30年度助成金と合算し、報告書印刷代に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)