2019 Fiscal Year Research-status Report
途上国の地方行政組織と企業及びCSR関連組織の協働プロセスに関する動態的研究
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16K21549
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
石井 梨紗子 神奈川大学, 法学部, 准教授 (00596851)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 地方行政 / フィリピン / CSR |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、当初から予定してきたフィリピンにおける現地調査にようやく着手することができた。もっとも、代表研究者の子供がまだ小さく、長期間の海外調査は難しいという状況から、マニラでのパイロット調査の実施後、フィリピン全土での本調査は現地研究協力機関であるフィリピン大学地方ガバナンス研究所 (CLRG)に委託する形態をとった。調査概要は以下の通りである。 パイロット調査:地方政府と協働関係にあるCSR関連組織4団体及び、CSR関連組織の連合体であるLuague of Corporate Foundation(LCF)へのヒアリングを実施すると共に本調査のヒアリング先の紹介等の協力を要請した。ヒアリング結果を元に、本調査で用いる質問票を精査し、本調査の実施を担当するCLRGスタッフに事前研修を行った。 本調査:国内各地の地方政府を10箇所訪問し、関係部署にヒアリングを行った他、これらの地方政府と協働するCSR関連組織へのヒアリングを実施した。またLCFが独自に行ったCSR調査結果のデータベースを購入した。 以上の調査から、地方政府とCSR関連団体が相互に協働を図るインセンティブは、地域や団体の母体の種類を問わず、ある程度共通していることが分かった。一方で、協働事例の分野は、関連団体の関心による部分が大きいことからかなりの偏りがあり、地方政府の開発ニーズを充足させるには至っていないことも明らかになった。 二度目の現地調査を2020年2月に予定し、収集したデータの解析についてのCLRGとの協議、及び追加のヒアリングの実施を計画していたが、新型コロナウイルスの影響で延期となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の妊娠・出産とその後の健康上の理由、さらに新型コロナウイルスの影響により、予定していた現地調査が延期されたことで、研究の進捗に大幅な遅れが生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
状況が許せばすぐにでもフィリピンでの追加調査を実施してヒアリング結果のまとめに入りたいところだが、見通しは立っていない。新型コロナウイルスが年度中に終息しない場合は、現地ヒアリングによらない別の方法を考える必要があり、インターネットサーベイも設計しているが、現地のCSR機関及び地方自治体がそもそも営業を再開していないため、回答者へのコンタクトが難しく難航している。
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Causes of Carryover |
現地調査の延期による。 今年度、状況が緩和次第、現地調査を実施する予定であるが、年度内のフィリピンへの入国が難しい場合には、代替措置として遠隔でのヒアリング調査の実施や、電子ベースのアンケート調査の実施と分析にかかる費用に充当することを検討する。
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