2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of "Family Occupational Therapy Program" for Male Caregivers Caring for Elderly People with Dementia at Home
Project/Area Number |
16K21555
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Research Institution | Nishikyushu University |
Principal Investigator |
藤原 和彦 西九州大学, リハビリテーション学部, 講師 (70608083)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 認知症 / 男性介護者 / 支援 / 家族作業療法プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、認知症の人を在宅介護する男性介護者の介護実態を把握し、男性介護者版「家族作業療法プログラム」の作成及びその有用性を検証することである。第1研究では、男性介護者の介護状況等の実態を調査した。その結果、男性介護者が在宅介護で困っていること・悩んでいることは、「認知症の症状への対処方法」であった。また、男性介護者が必要としている援助内容は、「認知症(病気)に関する知識(情報)」が最も多く、次に「自身の健康維持の方法やストレス解消法」であった。さらに、男性介護者の特徴として、「家族教室等の介護者同士の交流会」への参加意識は低い傾向にあることが明らかとなった。これらの実態を論文として報告した。さらに、男性介護者の生活実態を把握するため、余暇活動に関する調査を実施した。趣味活動の実施状況と介護負担感の検討では、趣味実施群は介護負担感が有意に低いことが示された。このことから、趣味活動等を実施して、気分転換をすることは、介護負担感の悪化を防ぐ可能性があると指摘した。 研究2では、これらの成果を踏まえ、男性介護者向けの家族作業療法プログラムを考案し、本プログラムの可能性についての展望を報告した。その後、介入プログラムを実践し、プログラムの有用性を検証した。しかし、プログラム自体が長期間介入であったため、予定していた症例数に届かず、男性介護者のみでの効果検証は困難であった。しかし、男女を含めた本プログラムの効果検証では、介入群の介護負担感の軽減と気分転換コーピングの改善に加え、健康関連QOL(VT、RE、MCS)の低下防止に有用であることが示された。本研究を通して、本プログラムが一定の効果があることは明らかになったが、対象者数が不十分であったため、男性介護者のみの詳細検証が困難であり、課題も残った。
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