2018 Fiscal Year Research-status Report
幼児期・児童期前期における自己評価変動モデルの構築
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16K21562
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
渡辺 大介 大谷大学, 教育学部, 講師 (70612985)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 幼児 / 感情語 / 表情認知 / オノマトペ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,幼児期や児童期前期の自己評価変動過程を規定する要因を明らかにし,幼児期や児童期前期特有の能力認知に伴う一連の自己評価変動過程に関するモデルを構築することを目的としている。 平成30年度は,自己評価の変動に伴う種々の感情を明らかにする際に必要な刺激の作成を目的とした調査を行った。具体的には,基本的感情6種類(恐れ,喜び,驚き,悲しみ,嫌悪,怒り)を表現する言葉(オノマトペ)に関する幼児の理解について,各感情と関連する表情および各感情が生起する状況の2側面から検討を行った。併せて,大学生に対しても各感情と関連する表情に関して調査を行った。使用したオノマトペは,ビクビク(恐れ),ニコニコ(喜び),ドキドキ(驚き),シクシク(悲しみ),イライラ(嫌悪),プンプン(怒り)の6種類であった。感情と表情の関連については,各オノマトペを聴覚呈示し,そのオノマトペと結びつく表情を20種類の線画の中から選択させることによって明らかにした。 その結果,感情と表情の関連については,いずれのオノマトペに関しても幼児と大学生の回答は概ね一致していたが,大学生と比べると幼児は回答にまとまりが見られない(幼児は比較的多くの種類の表情を選択した)といった傾向も示された。各感情が生起する状況については,いずれのオノマトペに関しても,語義と生起状況が一致する場合がほとんどであった。 以上の結果から,幼児は,感情を表現するオノマトペの意味や,それぞれのオノマトペと結びつく表情,各オノマトペが生起する状況をある程度理解していることが示唆された。今回の調査で得られた結果をもとに,以降の調査(自己評価の変動に伴う種々の感情の検討)で用いられる刺激を作成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度までの研究協力園で引き続き調査を実施する予定だったが,現所属機関での業務と研究協力園の調査可能日時とで折り合いがつかず,新たに研究協力園を探す必要に迫られた。現所属機関周辺で研究協力園の新規開拓を行ったものの,不慣れな土地ということもあり,開拓・調整に時間を要したため,予定が大幅に遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画には遅れが生じているものの,研究目的を達成するために必要な刺激の作成や文献の収集は進んでいる。また,研究協力園から次年度の研究協力に関する合意も得ている。今後は,研究協力園との連絡・調整を密に行い,幼児を対象とした未実施の調査を行う予定である。その際,研究協力者を募ったりアルバイトを雇用したりするなどして,効率的に調査の実施やデータの整理を進めていくことを考えている。
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Causes of Carryover |
(理由)所属機関での業務および研究協力園の都合により,海外(カナダ)での調査を実施できなかったため,調査実施に伴う旅費が発生しなかったことが主な理由である。 (使用計画)学会参加のための旅費,研究図書の購入,研究協力者やアルバイトの人件費・謝金の支払い,研究協力園との都合が合えば海外渡航の費用,などへの使用を計画している。
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Research Products
(1 results)