2017 Fiscal Year Research-status Report
船舶火災における探査活動が可能なレスキューロボットの開発
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16K21582
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Research Institution | Yuge National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
前田 弘文 弓削商船高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (10541930)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | レスキューロボット / 船舶火災 / 自己位置推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
フェリー火災において,探査活動を可能とするために,レスキューロボットが船舶を隈無く探査するために小型化が必要不可欠である.しかし,船舶は一般の建造物に比べて狭い場所が多く,従来のレスキューロボットでは小回りが利かない恐れがある.そこで,瓦礫などの走破を必要としないことを考慮し,モータをDCモータからRCサーボモータへ変更することで自重を抑え,バッテリの小型化に結びつけるとともに,ロボット本体も大幅な小型化を行う必要があった.これまでは,小型化に向けて試作を繰り返し,試作機の製作に多く時間を割いてきたが,その結果として昨年度予定していた波の計測および解析を中心とした研究が滞ってしまっていた. そのため本年度は,これらの残された課題を中心に研究を進めることとした.波によるロボットへの影響は大きく,単純な波の揺れだけではなく,潮汐の影響も考慮しなければならない.また,横波が不規則であることからこれらの波の影響についても除去が必要となった.そこで,9軸の小型センサーを用い,加速度だけでなくジャイロ情報も取得することでこれらの問題を解決する手法を提案した.その結果として本校が所有する練習船の桟橋を使用した実験まで漕ぎ着けることができた.その際,これらのデータの信憑性について検証を行うため,絶対座標を計測することができるシステムの開発も同時に行った.またこれらの成果として,3月に行われた学会にて複数件,発表することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度の研究においては,おおむね順調に事が進んだが,平成28年度の遅れの影響が多少残っている.しかし,要素となる部分の課題を昨年度までに全てクリアーしているため,残りは最終版のロボットを設計し,実際に船上で走行させるのみとなっている.よって,今後も大幅な予定の変更を行うことなく,十分に研究を遂行できると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
前期では,最終版のレスキューロボットの開発を行い,動作確認および不具合に対する修正を行う予定である.後期からは,実際に船上で動作させた上で,想定されていない問題が発生しないかの確認および実験データの計測,考察を行っていく予定である.
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Causes of Carryover |
見かけ上は,かなりの金額が残っている.しかしこれは,実験に必要となる物品の納期が1ヶ月近くかかることが判明したため,事務的処理の関係上で4月発注へとずらしたために生じたもので,残高はこの半分以下である.またその残された予算についても,最終版のロボットの設計が遅れたために残った製作費である.
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