2018 Fiscal Year Research-status Report
胃がん術後補助療法に対する抵抗性を評価するバイオマーカーの開発
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16K21590
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
重松 康之 公益財団法人がん研究会, 有明病院 総合腫瘍科, 医員 (40749511)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 胃癌 / エピゲノム / 発現解析 / 再発 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 解析対象を用いた病理組織学的評価の見直しと経口抗がん剤S-1内服後の再発群と無再発群における病理学的な特徴の評価 対象となる胃がん患者症例の病理組織学的特徴について見直しを行い、再発群と無再発群における組織学的な違い(分化度、深達度、脈管侵襲、HER2遺伝子発現、リンパ節転移の程度)について評価した。また、II期症例を用いて胃癌における予後因子あるいは発がん因子と報告されている遺伝子発現(EBER, SALL4, AFP, MLH1, PD-L1, P53)について追加で評価を行い再発との関係について解析した。 2. エピゲノム異常を用いたバイオマーカー探索 スクリーニング検体としてII期における再発症例と非再発症例を用いて、1. における病理学的な事項や年齢や性別に偏りがないように16症例選定した。ホルマリン固定パラフィン包埋検体から腫瘍部分を薄切し、腫瘍箇所をマイクロダイセクションしたのちDNAの抽出をおこない核酸の質評価を行った。現在、こららのDNAを用いてゲノム網羅的にエピゲノムの分布を解析している最中である。エピゲノム解析ではプロモーター領域のCpGアイランドに着目し、両者(再発症例と非再発症例)を区別しうるメチル化サイレンシング遺伝子の同定を行うことを目的としている。現在、今後はそれを免疫組織化学的に評価できる段階までに目指したい。 3. 検証用検体の準備 ゲノム網羅解析に用いた症例および検証用症例を用いてがん部および非がん部を含む薄切組織を準備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1) 症例数が多く、全症例の見直しや各症例の評価部位の選定およびその薄切作業に時間がかかった。2)ホルマリン固定パラフィン包埋検体からのゲノム抽出に際して、解析可能な核酸を有する検体の選定に時間がかかり予想より遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は解析対象として選定された症例群を用いて、以下のことを行う。 1) 再発症例と非再発症例を用いて検討しているゲノム網羅的なエピゲノム変化についての解析を進めて、両者を区別しうるメチル化サイレンシング遺伝子(マーカー候補)の同定を進める。 2) 上記遺伝子について、ホルマリン固定パラフィン包埋検体を用いて、まずは網羅解析に用いた検体での再現性を評価する 3) 2)で再現性が確認できた遺伝子群について、検証用検体を用いてその有用性について検証する。
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Causes of Carryover |
1) 研究の進捗が遅れているため、本来使用するはずの解析にかける費用がそのまま次年度に持ち越す形となった。 2) 研究室内で共有で使用できる試薬などがあったため、必要経費が軽減された。
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