2017 Fiscal Year Annual Research Report
Identification and characterization of novel fusion gene in salivary gland tumor
Project/Area Number |
16K21591
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
冨樫 由紀 公益財団法人がん研究会, がん研究所 分子標的病理プロジェクト, 研究員 (00648016)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 唾液腺型腫瘍 / 融合遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、昨年度までに、腺様嚢胞癌においてMYBあるいはMYBL1が相互排他的に高発現しており、それらはMYBあるいはMYBL1遺伝子座の再構成と一致することを、凍結保存検体27例のcapture RNA sequencing, FISHにより明らかにした。今年度は、それらの結果を踏まえ、フォルマリン固定パラフィン包埋 (FFPE) 検体のみ利用可能であった73例を解析対象に追加し、MYB, MYBL1遺伝子座の再構成についてvalidationを行った。また、解析対象例のうち、原発組織が頭頸部領域であり、かつMYBあるいはMYBL1遺伝子座の再構成が実証された78例の臨床データを詳細に解析し、腺様嚢胞癌における予後因子の抽出を試みた。結果を以下に示す。 まず、100症例のうち97症例にMYB遺伝子座 (73例) あるいはMYBL1遺伝子座 (24例) の再構成が認められた。MYB, MYBL1の転写産物は融合型、切断型、全長型と様々であり、融合型については、in-frameだけでなくout of frameの転写産物も検出され、検出されたすべての転写産物は、DNA結合ドメイン、転写活性化ドメインを保持していた。また、MYB, MYBL1の遺伝子再構成様式は多彩であり、split FISHのみでは検出できないMYBの再構成様式、すなわちMYB遺伝子座へのNFIB遺伝子座の1Mb以下と考えられるsmall insertionが示唆される転写産物が2例で検出された。さらに、予後解析により、組織学的に充実部の割合が高い症例、初発時腫瘍サイズが30mmよりも大きい症例、初発時にリンパ節転移が陽性であった症例は有意に予後不良であり、多変量解析から、これらは独立した予後因子であることが示された。以上の成果を論文に発表した。
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