磁化バイオミネラルによる放射性Srイオン吸着材料の開発

2017 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 16K21604
• Research Institution: Japan Atomic Energy Agency
• Principal Investigator: 関根 由莉奈 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 物質科学研究センター, 研究職 (00636912)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: 選択的吸着 / アパタイト / ストロンチウム

Outline of Annual Research Achievements

汚染水からのストロンチウム等の有害金属イオンの効果的な除去方法を見出すことは未だ急務の課題として残されている。福島第一原発事故に起因する放射性物質の漏出において、放射性ストロンチウムは放射性セシウムに比べて放出量が少ないことが確認されている。しかしながら、原子炉冷却に用いた汚染水中には高濃度の放射性ストロンチウムが含まれており、それらを効果的に除染する必要がある。本研究では、金属イオンに対する吸着特性を示すことで知られている天然材料のアパタイトを用いたストロンチウムイオン吸着材料の開発を目的とする。初年度の研究により、アパタイト結晶に対して意図的に結晶欠陥を生じさせることにより、対象とする元素を選択的に吸着する材料が出来ることを見出た。また、それらは海水を含む汚染水と同様の条件においても高い吸着能を保っていた。当初の計画では、今年度にこれらの材料と磁気微粒子の融合、及びより高い選択性を有する材料の開発を予定していた。しかし、平成29年1月8日から平成30年1月7日まで米国ノースウェスタン大学へ留学し、当初計画を遂行することが困難であったため計画の見直しを行い、平成29年に予定していた研究計画について平成30年に行うことを計画している。今までに得た知見を基にストロンチウム等を選択的、及び効率的に吸着する材料の開発、及び廃棄物減容化に繋がる吸着、脱着メカニズムの評価を行うことを考えている。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

平成29年1月8日から平成30年1月7日まで米国ノースウェスタン大学へ留学し、当初計画を遂行することが困難であったため計画の見直しを行い、平成29年に予定していた研究計画について平成30年に行うことを計画している。このため、補助事業期間の延長を申請し、許可された。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究により結晶欠陥を意図的に生じさせることにより、対象とする元素を選択的に吸着する材料が出来ることを見出してきた。平成３０年度は、これらの知見を活かしてさらに高い選択性、吸着特性を有する材料を開発していくと共に、当初の計画通り実際の環境試料を用いて除染材料の確立及び減容化を目指す。

Causes of Carryover

H29年度は米国ノースウェスタン大学へ留学したため、当初計画のとおりに研究を遂行することができず、H29年度に予定していた支出がなかったため次年度使用額が生じることとなった。当初計画において予定していたH29年度の支出計画に基づき、H30年度における研究試料の購入や実験に係る費用及び学会発表、論文投稿等の成果発表に係る必要として使用する予定である。

Research Products

• [Journal Article] Super‐Absorbent Polymer Valves and Colorimetric Chemistries for Time‐Sequenced Discrete Sampling and Chloride Analysis of Sweat via Skin‐Mounted Soft Microfluidics (2018)
  • Author(s): S. B. Kim, Y. Zhang, S. M. Won, A. J. Bandodkar, Y. Sekine, Y. Xue, J. Koo, S. W. Harshman, J. A. Martin, J. Min Park, T. R. Ray, K. E. Crawford, K. T. Lee, J. Choi, R. L. Pitsch, C. C. Grigsby, A. J. Strang, Y. Chen, S. Xu, J. Kim, A. Koh, J. Sook Ha, Y. Huang, S. W. Kim, J. A. Rogers
  • Journal Title: Small Volume: 14 Pages: 1703334
  • DOI: doi.org/10.1002/smll.201703334
  • Peer Reviewed / Int'l Joint Research