2017 Fiscal Year Research-status Report
堆肥発酵熱発生メカニズム解明のための生物化学的アプローチ
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16K21607
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
小島 陽一郎 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門・飼養管理技術研究領域, 主任研究員 (80577916)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 堆肥発酵熱 / 有機性廃棄物 / 酸化還元電位 / 堆肥化モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,昨年度構築した土壌葉酸か還元電位(ORP)計による堆肥化過程の電位測定を試みた。しかし,センサ本体やセンサ内部の電解液が堆肥化による温度上昇によって不具合が起こることが明らかとなり,センサの埋設法や保護方法について検討が必要であることが判明した。また,本年度から,連続式堆肥化施設で起こる新規の原料投入による短時間の発酵停滞状態を故意に再現するための堆肥化装置の選定をおこなった。今年度市販2装置について調査をおこなったが,排気状態のモニタリングや密閉程度などが条件に合わなかったため,装置の試作も視野に入れつつ,引き続き市販装置の選定をおこない,市販装置での発酵停滞状態の再現を目指し,その改善方法の検討をおこなう予定である。これに加えて,密閉型堆肥化装置など,堆肥化促進のために供給された空気が堆肥原料により加温され,外気で希釈されず排気として系外に排出される条件において,堆肥により加温される工程を一種の熱交換過程とみなして,堆肥内部の発酵状態を推定するモデルを検討した。具体的には,堆肥の初期条件及び入気の状態及び排気の状態から,堆肥化過程におけるリアルタイムの原料温度等を推定する手法である。このモデル作成のためには,堆肥と空気間の伝熱係数の算定が必要であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
堆肥原料の酸化還元電位については,使用電極の問題点を抽出できた。また,連続式堆肥化装置については,市販装置の選定が完了していないが,平行して,堆肥による原料加温と熱の排出過程の熱交換モデルの検討を始めており,新たな知見の蓄積や,連続式堆肥化装置での解析を効率化できる可能性がある。 以上より,全体を総括して,「(2)概ね順調に進展している。」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,堆肥原料の酸化還元電位の保護や埋設法を検討し,堆肥化初期過程の酸化還元電位を測定するとともに,連続式堆肥化装置での原料投入による原料温度の停滞の再現とその緩和について検討する。また,堆肥原料の総括伝熱係数の測定により,熱交換モデルの構築を目指す。
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Causes of Carryover |
(理由) 本年度,新規の堆肥原料投入による堆肥原料温度の低下を再現するため,市販の連続式堆肥化装置の購入を予定していた。しかし,市販堆肥化装置2機種について調査したところ装置の密閉程度など試験を実施するための条件を満たさなかった。そのため,市販装置の購入を翌年度に繰り越したため,装置の購入費用(800千円)が未使用となった。装置試作を視野に入れて,試作部品を一部購入したが(約400千円),装置購入費用が未使用となった。 (使用計画) 次年度は,引き続き市販装置の選定を進め,条件を満たすものの購入費用として使用する。
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Research Products
(1 results)