2016 Fiscal Year Research-status Report
地域資源協働管理のための農村ランドスケープ・リテラシーの再構築
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16K21611
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
栗田 英治 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門・農地基盤工学研究領域, 主任研究員 (00414433)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ランドスケープ・リテラシー / 小型UAV / 棚田 / 三次元化技術 / 傾斜地農地 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,以下の2点を中心に取り組んだ。1)傾斜地農地(棚田)を対象とした地域住民が有する農村ランドスケープ・リテラシーの内容の把握,2)小型UAV空撮及び三次元形状復元技術を用いた傾斜地農地の特徴の抽出。具体的には,1)については,新潟県十日町市を対象に,複数の地域住民(農家)への聞き取り調査を通じておこなった。棚田の耕作に関わるランドスケープ・リテラシーは,大分類では,日当たりなどの気候(微気象),斜面方位などの地形,土(物理性,化学性),水利条件,農地基盤,周辺土地利用,造成やまちなおしなどの改変履歴に分けられることが明らかになった。標高・傾斜,区画形状・区画規模など,既存のGISデータや小型UAV空撮画像による分析などを用いるなかで収集・可視化・共有等が比較的容易なリテラシーの内容が存在する。一方で,一筆の区画内でも異なる土性や複雑な水利など耕作者からの情報(長年の経験)が不可欠なリテラシーの内容も多いことが分かった。2)については,新潟県十日町市峠地区ほかの地域において,小型UAVを用いた空中撮影を実施し,得られた空撮画像を用いてSfM-MVS(三次元形状復元技術)により,傾斜地農地(棚田)の立地する地域の三次元モデルの生成をおこなった。結果,0.05m×0.05mのオルソモザイク画像,0.1m×0.1mのDSM(数値表面モデル)を得ることができた。得られたDSMから,傾斜地農地の田面の標高,農地法面の勾配等の算出をおこない,法面勾配については,実測値との比較において,誤差率10%未満の算出値を得ることができた。今回,得られた既存データよりも詳細なDSM等を用いることにより,標高・傾斜(勾配),日射量(日当たり)などについて高度な分析が可能となり,住民が有する棚田の耕作に関わるランドスケープ・リテラシーを補助・強化できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査対象地域の選定,調査協力の要請等,滞りなく進められ,地域住民(農家)への聞き取り調査を通じた農村ランドスケープ・リテラシーの把握が順調に進行している。あわせて,農村ランドスケープ・リテラシーの補助・強化を目的とした小型UAV空撮及び三次元形状復元技術を用いた傾斜地農地(棚田)の三次元モデルの生成,解析,適応方法の検討にも着手し,順調に実績を重ねられている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,28年度に把握をおこなった傾斜地農地(棚田)を対象とした地域住民が有する農村ランドスケープ・リテラシーの内容について,主体の農業経験や居住歴等に着目した調査を進め,地域内外の主体間の農村ランドスケープ・リテラシーの差異の整理を進める。あわせて,農村ランドスケープ・リテラシーの内容の精査を進め,今後のリテラシーの継承の視点も加味し,記録・共有等の難易度,高精度データによる補助・強化の可能性に着目した整理を試みる。 小型UAV空撮及び三次元形状復元技術を用いた農地の高精度データの取得と解析については,傾斜地農地(棚田)を対象としたDSM(数値表面モデル)を用いた標高・傾斜(勾配),日射量(日当たり)の分析に加えて,小型UAV撮影の高解像度空中写真を用いた農地等の植被率に着目した解析を進める。それぞれの農村ランドスケープ・リテラシーによる判別・分類の結果と,小型UAV空撮等により得られる高精度データの解析結果の照合を進めることにより,高精度データにより補助・強化が可能な農村ランドスケープ・リテラシーの内容を明らかにする。
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Causes of Carryover |
三次元モデル及び土地利用データの作成に関わる補助(人件費)について,28年度は,作業量が想定よりも少なく,補助を必要とする機会が少なくかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
三次元モデル及び土地利用データの作成に関わる補助(人件費)及び調査地までの旅費において使用を予定。
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Research Products
(6 results)