2016 Fiscal Year Research-status Report
チャバネアオカメムシと共生細菌における局所的共進化
Project/Area Number |
16K21613
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
西出 雄大 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門 昆虫制御研究領域, 研究員 (50558096)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 共生 / 昆虫免疫 / 共進化 / チャバネアオカメムシ / 共生細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度に行うべき実験を1.共進化と免疫、2.共生と休眠、3.共生細菌を他の細菌への置換、と3つ示してあったが、2以外は完全に実験を終えた。 共進化の鍵を握る可能性が考えられたため、特に1に関して研究を進めた。チャバネアオカメムシの本州系統と沖縄系統と共生細菌での共進化は、共生部位への侵入、共生部位での菌の増殖のいずれかが関与していることを示した。そこで、チャバネアオカメムシの免疫機構に着目し研究を進めた。その結果、チャバネアオカメムシにおける免疫機構として働くIMD経路、toll経路の構成遺伝子を明らかにした。また、共生部位で働く抗菌ペプチドをいくつか同定し、共生への関与が示唆された。今後は、さらに腸内免疫と共生の関係に関する研究をさらに進める。 また、チャバネアオカメムシの飼育方法で論文を1本執筆した(Nishide et al., Appl Entomol Zool, in press)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度に行うべき実験を1.共進化と免疫、2.共生と休眠、3.共生細菌を他の細菌への置換、と3つ示してあったが、2以外は完全に実験を終えた。特に、1の共進化と免疫に関しては、共進化への免疫の関与を示すまでが目標であったが、今年度ですでに免疫の関与が示され、さらにカメムシ体内の免疫機構が明らかになりつつある。さらに、腸内の免疫関連遺伝子の発現を見ることで、共生への関与が示唆される抗菌ペプチドを示すことができた。 また、チャバネアオカメムシの飼育方法で論文を1本執筆した(Nishide et al., Appl Entomol Zool, in press)。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに免疫と共生の関与を詳しく示し、新たな知見を得る。また、これまでの研究については、論文としてまとめる。
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Causes of Carryover |
備品費としてインキュベータ代を80万円計上していたが、カメムシの飼育環境で必要な25℃を保てる部屋を一部屋借りることができたため、備品を購入しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の持ち越し額は、次世代シーケンサーを用いたRNAseq解析を行い、共生関連遺伝子のさらなる調査を行いたい。また、次年度の予算は予定通り、消耗品と人件費で使う予定である。
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Research Products
(1 results)