2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K21619
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
神田 元紀 国立研究開発法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 基礎科学特別研究員 (70755115)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 睡眠 / CRISPR/Cas |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠覚醒は概日リズムによって制御される代表的な個体行動であるものの、その機構は不明な点が多い。特に1日の総眠量の制御(ホメオスタシス)を司る遺伝子の同定はあまり進んでおらず、その原因としては遺伝子改変マウスの作製および表現型解析に時間がかかることが挙げられる。本研究では、CRISPR/Casによるノックアウトマウスの作製と当研究室で開発された非侵襲新規睡眠測定法を駆使することでこれらの問題を解決しようとしている。 平成28年度の研究では、どの神経性ペプチドが睡眠に影響を及ぼすかをCRISPR/Casによるノックアウトマウスの高速作製と非侵襲新規睡眠測定法により検証した。また、選択する遺伝子を神経性ペプチドに限らず、脳内に発現していると報告のある受容体群に関しても同様の検証を行ったところ、いくつかの受容体において顕著に睡眠時間が減少する個体が得られた。これらの表現型を生み出す遺伝子・細胞・細胞集団の機序の解明を目的として、全脳レベルでの蛍光 in situ hybridization(FISH)および化学染色を導入し、安定的な結果を得るための手法を確立した。また、断眠実験、ケージ交換実験、摂食制限実験などを新規に導入し、これらのノックアウトマウスに対するより深い表現系解析を実装した。また、ノックアウトした遺伝子の睡眠覚醒機構への必要十分条件を探るために、各種薬剤投与による睡眠覚醒状態の変化についても観察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、①遺伝子ノックアウトマウスによって顕著に睡眠時間が減少する個体を得ることができた。本研究では、表現型の強い遺伝子を探し当てることが不可欠であった。また、②作製した希少なノックアウトマウスから最大限情報を取得するために非侵襲的な実験系(断眠実験、ケージ交換実験、摂食制限実験)などを導入し、安定して結果を得る手法を確立した。上記2点が達成できたことによりおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、前年度と同様にCRISPR/Casによるノックアウトマウスの作製と非侵襲新規睡眠測定法により見出された睡眠関連遺伝子ノックアウトマウスの作用機序の解明を目的として、全脳レベルでの蛍光 in situ hybridization(FISH)、断眠実験、ケージ交換実験、摂食制限実験を行う。また、ウイルスや光遺伝学などを用いた実験系を導入することを検討し、指定した神経細胞に時間特異的に摂動を与える実験系を確立することを目指す。
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Causes of Carryover |
購入する試薬数が想定を若干下回ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
効率よく研究を進めるための試薬・器具の購入に利用する見込みである。
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Research Products
(1 results)