2016 Fiscal Year Research-status Report
血漿遊離DNAの高感度シーケンス解析による悪性黒色腫病態モニタリング法の開発
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16K21647
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
高井 英里奈 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (90723891)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / 次世代シーケンス / 血中遊離DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性黒色腫においては、術後再発の早期発見や免疫チェックポイント阻害剤をはじめとする化学療法の効果判定に有用な病態モニタリング法の開発が求められている。本研究では、悪性黒色腫の手術症例および化学療法施行症例から経時的に採取した血漿サンプルを用いて血中遊離DNAの高感度シーケンス解析を行い、悪性黒色腫の病態モニタリングにおけるLiquid biopsyの有用性を明らかにすることを目的として検討を行っている。 平成28年度は前年度より引き続き、悪性黒色腫患者からの経時的な採血を行い、45例から計210の血漿サンプルを凍結保存することができた。手術症例においては可能な限り腫瘍組織サンプル(凍結もしくはFFPE)も収集した。 各血漿サンプルから遊離DNAを抽出し、定量を行った結果、同一患者由来のサンプルでも血漿に含まれる遊離DNA量は治療経過とともに大きく変動していることが明らかとなった。 血中遊離DNAを用いたシーケンス解析による病態評価の可能性および変異検出の精度について検討するため、13例の手術症例について、手術前と手術後の血漿サンプルおよび腫瘍組織サンプルを用いて、独自にデザインした遺伝子パネルによるターゲットシーケンスを行った。術後再発を来した症例については、再発時を含め、より長いタイムスケールでの解析を行っている。 また抗PD-1抗体や抗CTLA-4抗体といった免疫チェックポイント阻害剤による治療を行った14症例について、血漿遊離DNAからの変異検出による治療効果判定の可能性を検討するため、1症例につき多数の血漿サンプルを用い、ターゲットシーケンスを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づき、サンプル収集および血中遊離DNAのターゲットシーケンス解析を順調に遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
シーケンスデータの情報解析を進め、各血中遊離DNAに存在する体細胞変異を検出する。各症例について再発の有無や治療効果などの臨床情報を収集し、血中遊離DNAからの変異検出結果と臨床経過との関連性について詳細に検討を行うことで、血中遊離DNAの解析による病態モニタリングの可能性を検討する。
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Causes of Carryover |
当初の見積よりもシーケンス解析のコストが低く抑えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
より詳細な検討のために未解析のサンプルについてシーケンス解析を行うとともに、得られた研究結果に関する成果報告を行うために使用する予定である。
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