2017 Fiscal Year Annual Research Report
Monitoring of therapeutic response by targeted sequencing of cell-free DNA in melanoma patients
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16K21647
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
高井 英里奈 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 外来研究員 (90723891)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / 次世代シーケンス / 血中遊離DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性黒色腫においては、術後再発の早期発見や免疫チェックポイント阻害剤をはじめとする化学療法の効果判定に有用な病態モニタリング法の開発が求められている。本研究では、悪性黒色腫患者から経時的に採取した血漿サンプルを用いて血中遊離DNAの高感度なターゲットシーケンス解析を行い、悪性黒色腫の病態モニタリングにおけるLiquid biopsyの可能性を明らかにすることを目的として検討を行った。 平成29年度は、全27症例の血漿遊離DNAおよび組織由来DNAを用いて作製したターゲットシーケンスライブラリについて次世代シーケンス解析を完了し、それぞれのサンプルについてがん由来の体細胞変異をin-houseの解析パイプラインを用いて検出した。平成28年度に得られた研究結果より、同一症例のサンプルであっても、血中に含まれる遊離DNAの量は治療経過とともに大きく変動することが示唆された。そのため、免疫チェックポイント阻害剤治療症例それぞれについて、各サンプルの遊離DNA全体量を考慮して、変異アリル頻度ではなく検出された各体細胞変異をもつ腫瘍由来遊離DNA (ctDNA) 量の経時的変化と各種臨床情報との関連について検討を行った。その結果、がんの増悪時にctDNA量が上昇するなど、多くの症例で患者の病態を反映したような変化が認められた。また悪性黒色腫で臨床的に用いられている腫瘍マーカーであるLDHの値と比較するとctDNA量の方が値の変化が大きく、病態をより鋭敏に捉えられる可能性が示唆された。さらに複数の変異が検出された症例においては、治療の過程で新たに検出される変異や、変異によって異なる変動パターンを示す場合が認められ、がんのクローン進化やがんゲノムの多様性が血漿cfDNAの解析から捉えられる可能性が示唆された。
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