2017 Fiscal Year Research-status Report
カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症の臨床疫学的検討
Project/Area Number |
16K21652
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
早川 佳代子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (70646778)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | カルバペネム耐性腸内細菌科細菌 / カルバペネム / 多剤耐性菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では日本国内においてカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE: Carbapenem-Resistant Enterobacteriaceae)が臨床検体より分離された患者について、CREの臨床疫学・感染管理、有効な治療法、微生物学的評価を行うことを目的としている。本研究で用いるCREの定義としてはメロペネムのMIC値が2μg/ml以上の腸内細菌科細菌とする。 初年度にあたる2016年度には、多施設研究の枠組み作り、症例登録フォームの作成、各施設での倫理委員会承認を行い、対象となる9施設にて症例登録を開始した。 2017年度には、対象施設を計11施設に拡大し、2018年3月までに計22症例(12例のカルバペネマーゼ産生CRE、10例のカルバペネマーゼ非産生CRE)に関し微生物学的解析及び臨床疫学的解析を行った。具体的には、これまでに登録された症例のCRE菌株の微生物学的解析(カルバペネマーゼ遺伝子の保有の有無、カルバペネマーゼ遺伝子のタイプ、薬剤感受性検査等)及び、登録された症例に関し、CRE感染症の臨床的インパクトや有効な治療に関わる項目(死亡率、侵襲的処置の必要性、感染後在院日数、再入院率、治療に用いられた抗菌薬使用歴)、感染リスク因子に関わる項目(患者背景因子、基礎疾患、医療施設曝露歴、抗菌薬投与歴、医療デバイスの使用歴、手術歴や手技歴等)の臨床疫学的情報に関して、多施設データの統合・解析を行った。研究は計画通り進行しており、2018年度には症例の最終登録及び最終解析を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多施設からの症例登録が進んでおり、症例登録は順調に経過している。ただし、微生物学的解析に当初の計画より時間がかかることが判明したため、症例登録は2018年4月までで終了とする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
微生物学的解析に当初の計画より時間がかかることが判明したため、症例登録は2018年4月までで終了とし、今後菌株の解析ならびに臨床疫学情報の統合、解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
業務の都合で、参加予定であった国際学会への参加を見合わせたため。2018年度の菌株解析及び成果発表のための学会参加で使用予定である
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