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2016 Fiscal Year Research-status Report

SLC15A3によるリソソーム物質環境と炎症応答の新規制御機構の解析

Research Project

Project/Area Number 16K21655
Research InstitutionNational Center for Global Health and Medicine

Principal Investigator

大島 大輔  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 上級研究員 (70769653)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywordsアミノ酸トランスポーター / 炎症応答
Outline of Annual Research Achievements

Solute carrier protein (SLC)15A4は,免疫細胞のリソソーム/後期エンドソームに局在し,主にヒスチジンを含むペプチドを輸送基質とするプロトン共役型アミノ酸トランスポーターである.炎症応答に必須なSLC15A4と高い相同性を有し,免疫細胞に優先した発現を示すSLC15A3は,その発現分布パターンと炎症刺激により発現誘導する性状から,SLC15A4と異なる独自の役割を持つことが強く示唆されるが,免疫応答における機能と重要性については充分な解析がなされていない.本研究では,リソソーム局在型アミノ酸トランスポーターSLC15A3が免疫応答に果たす役割を解析し,エンドリソソームシステムを基軸とする炎症シグナルの新規制御機構の解明を目的とする.
Crispr/Cas9システムを用いて作製したSlc15a3遺伝子欠損マウスで,胸腺,脾臓,リンパ節など各リンパ器官においてフローサイトメトリーで解析した結果,免疫細胞における分化や増殖の顕著な異常は見られていない.したがって炎症応答など刺激依存的なSLC15A3の役割の解明を中心に検討していくことにした.Slc15a3欠損マウスの骨髄由来の樹状細胞,およびマクロファージを誘導し,Toll like receptor (TLR)依存的な刺激による応答を調べた.その結果,Slc15a3欠損マウスの骨髄由来の樹状細胞では,TLR9リガンドCpGに対する応答で一部サイトカイン産生の減弱が認められた.またマウス骨髄由来のマクロファージにおいて,M1/M2への分化の程度に異常は無いものの,一部マーカーとなる遺伝子の発現に異常が見られた.Slc15a3欠損マウスの繁殖は順調に進んでおり,Slc15a4欠損マウスとの交配を進め,Slc15a3/Slc15a4二重欠損マウスが誕生している.このマウスは機能解析に用いるために繁殖している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Slc15a3欠損マウスでは顕著な表現型の異常が見られていないものの,骨髄由来のマクロファージ,樹状細胞の炎症応答において野生型との相違が明らかになりつつある.in vitroの系を用いてSLC15A3の役割と分子基盤の解明につながることが期待される. Slc15a3/Slc15a4二重欠損マウスが誕生しており,次年度の解析に向けた準備が整っている.また新たな知見として,サイトカイン刺激に対するシグナル伝達について,SLC15A3が影響を与える可能性を示唆する結果を得ている.

Strategy for Future Research Activity

定常状態において免疫細胞における分化異常等が見られなかったことから,自己免疫疾患様病態モデルを作製してSLC15A3の役割の解析を行う.Slc15a3欠損マウスで腸炎モデルを作製して,腸炎の病態を体重,下痢,血便で評価し,腸管における炎症性サイトカインの定量的PCRと消化管の組織学的解析によりSLC15A3が腸炎の病態形成に果たす役割を検討する.また他の自己免疫疾患モデルとして,TMPD投与によるループスモデルで抗体産生を検討する.
SLC15A3とSLC15A4の相互補償機能的な相互補完性の有無について明らかにする目的で,Slc15a3/Slc15a4二重欠損マウスの生理的な解析と疾患モデルを作製して病態解析を行う予定である.
SLC15A3がシグナル伝達に影響を与える可能性を示唆する結果が新たに得られた.その分子機構を解明する目的で,培養細胞を用いてサイトカイン刺激に対する応答についてSLC15A3の役割を検討する.またその結果を基にシグナル伝達経路に関する数理モデルを構築する予定である.

Causes of Carryover

SLC15A3欠損マウスにおいて表現型が見られなかったことから,疾患モデルマウスの解析を中心に行う方針とした.疾患モデル作製のための条件検討が必要であり,実際の解析は次年度以降行うこととした.

Expenditure Plan for Carryover Budget

疾患モデルマウスの作製とその解析に使用する.また新たに知見を得たサイトカイン応答のシグナル伝達経路への影響を解析するためのin vitro実験系と数理モデル構築に使用する.

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Regulation of innate immune responses by oligopeptide transporter SLC15A3.2016

    • Author(s)
      OHSHIMA Daisuke, KOBAYASHI Toshihiko, SORIMACHI-TOYAMA Noriko
    • Organizer
      日本免疫学会
    • Place of Presentation
      沖縄コンベンションセンター
    • Year and Date
      2016-12-05 – 2016-12-07

URL: 

Published: 2018-01-16  

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